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武田双雲が語る「胆石症の前兆」発症1週間前、寝る前に激痛が…
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.14 20:00 最終更新日:2020.06.14 20:00
「急に襲ってきた激痛で、のたうち回りました。やがて痛みは引いたのですが、すぐに、さらに強い痛みが襲いかかってきました。最後は、壁に頭をガンガン打ちつけていましたね。あの痛みを思い出すと恐怖です」
書道家の武田双雲さん(44)は、2011年8月1日に自身を襲った痛みをこう振り返った。
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「テレビ出演や講演が多くなり、2009年にはNHK大河ドラマ『天地人』の題字を担当しました。休日はほとんどなく、そのころから首や肩のこりがひどく、体調はよくありませんでした」
発症の約1週間前には、前兆があった。1泊2日のテレビ番組のロケがあり、宿泊したホテルで寝ようとしたとき、背中とおなかの奥に激痛が走ったのだ。
「しかし、そのときはすぐに収まったんです。翌日のロケも、何事もなく終えました」
武田さんは、気になりながらも「体調不良かな」と放置してしまった――。
発症した8月1日から、搬送された病院に3日間入院。鎮痛剤を投与されながら胃カメラやCTで検査をしたが、原因はわからなかった。
「『緊張や疲れがたまり、胃痙攣を起こしたのでは』という診断でした」
全国的にも珍しい「胆石専門外来」がある町田慶泉病院(東京都町田市)の外科部長・玉川英史医師は、「胆石症は、症状だけからは診断が難しい病気です」と言う。
「痛みが出る部位は、肩や肩甲骨の周囲、あるいは胃などさまざまです。患者さんのなかには、胃の症状と思われて、内視鏡検査に来られる方もいらっしゃいます」
自宅に帰ったあと、鍼灸で痛みを和らげていたが、不調は続いた。そして、約1週間後の8月9日。痛みが再発した。武田さんは、14時間ものあいだ、痛みにうなされた。
「当時5歳の長男が、『目が黄色いよ』って言ったんです。よく見ると全身も黄色い。ずっと微熱も続いていたので、夜中に、最初のときとは別の救急病院に行き、診察してもらいました。診断は、『急性胆管炎』でした」
胆石症のメカニズムは、こうだ。
「胆嚢(たんのう)は、肝臓で作られた胆汁が通る胆管の途中にあり、ダムのように、ためておく役割があります。
胆汁を蓄えて濃くし、胃で消化された食べ物が十二指腸に流れてくると、収縮して胆汁を送り出し、消化吸収を助けます。油脂分の多い食物や生卵、特に卵黄がきたとき、胆嚢は強く収縮します」(「胆石専門外来」がある町田慶泉病院の外科部長・玉川英史医師、以下同)
この胆汁が固まり、結石になることがある。結石は胆汁の流れを阻害するが、胆嚢は収縮を続けるため、胆嚢内の圧が上昇して激痛が起きる。
「胆嚢に胆汁が出入りする部分を『胆嚢管』といいます。胆嚢管の内部は螺旋状になっていますが、胆石が、この螺旋構造を壊し、総胆管に移動することがあります。これが『総胆管結石』です。
総胆管に石があると、瓶のラムネジュースのガラス玉がジュースの流れを塞いでしまうように、肝臓で作られた胆汁の流れがブロックされるのです」
そうなると肝機能も低下し、武田さんのように黄疸が出ることも多い。黄疸になると、肌や目の白い部分が黄色くなり、尿の色も褐色に近くなる。
(週刊FLASH 2020年5月26日号)