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【食堂のおばちゃんの人生相談】43歳・会社経営者のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.15 11:00 最終更新日:2020.06.15 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/土俵際さん(43)会社経営】
同窓会で20数年ぶりに再会した初恋の人と、半年前に映画デートをした。互いに既婚者だが、帰りのタクシーでキスをした。私はそれ以上を望んだが、彼女に笑顔で断わられ、その後何度か誘ったが「また今度ね」で実現していない。これ以上誘わないのが大人のマナーだと思うが、仕事が手につかない。
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【山口先生のお答え】
このお悩みを読んだら、初恋の彼女はきっと躍り上がって喜んでいると思います。「私のために仕事が手につかないなんて、なんて素晴しいの! 私にもまだこれほどの魅力が残ってたんだわ!」
多分、上の台詞が彼女の気持ちのすべてだと思います。彼女があなたとデートしたのは、女としての魅力を確認したいからであって、それ以上でもそれ以下でもありません。大変キツい言い方ですが、あなたはモルモットにされたのです。今頃彼女は本命の男と……。
40過ぎた女は、それも若い頃モテた記憶のある女は、十人中八人は焦っています。自分の若さと美しさが、毎日指の間からポロポロこぼれて落ちて行くのを、目の当たりに突きつけられているからです。自分がまだ男にとって魅力ある存在であると確認するためなら、キスくらいするでしょう。
それと表裏一体の心理ですが、この年代の女が本気で男に惚れたら、一瞬の躊躇もなくセックスに走ります。死ぬまでに訪れるチャンスがあと何回あるか考えたら、迷っている暇はないのです。
そんなわけで、あなたはがっかりする必要はありません。別口を探しましょう。彼女以外にも、年増は大勢いますよ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中