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大実験!壊れたスマホのデータは、どこまで復元できるのか?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2016.09.21 06:00 最終更新日:2016.09.26 14:00
店内に小川の流れるオシャレな居酒屋で飲んだくれていたら、酔っ払ってカバンを水中に放置してしまった写写丸。おかげで大事なiPhoneは水浸し。電源のスイッチを押してもまったく反応しない。最近、入れ込んでいる女のコに電話したいのに、連絡先がわからな~い!
そんなわけで、アンドロイドのスマホ、iPhone、防水ガラケーのデータがどこまで復旧できるのか調べてみることにした。
まず各機種を3台ずつ用意し、
(1)洋式トイレのたまり水に3分間放置
(2)水深60センチの浴槽に1時間放置
(3)ビルの10階から落とす
という試練を与えた。スマホを壊すいちばん多いケースが、胸ポケットに入れたままトイレに入り、気づかずに落とす状況だろう。
また、風呂は、端末を持ったまま入浴し、そのまま寝てしまった場合を想定している。10階から落とすことはなかなかないだろうが、リスクは最大限想定しておくのが現代人の心得なのだ。
さて、トイレに沈めた3機種を3分後に手に取ると、本体が壊れたのはスマホのみ。iPhoneもガラケーも故障しなかった。
だが、さすがに1時間水没させると、スマホとiPhoneは故障してしまった。しかし、さすが防水ガラケーはまったく故障せず。
では、落下実験はどうか。下に注意しつつ、10階からiPhoneを投げると、ガッッチャーンという音とともに真っ二つに割れてしまった。
しかし、ガラケーは背面にヒビが入っただけで、操作に支障なし。どの実験でもガラケーは本体が壊れなかったので、データ復旧という実験自体無意味になってしまったわけだ。
「ガラケーって本当に丈夫ですね~」と感心しきり。気を取り直して、破壊したスマホとiPhoneのデータ復旧はできるのか? 結論を簡単に言うと、スマホは水没の場合、データ復旧ができたが、落下の場合は不可。
逆に、iPhoneは水没だとダメだが、落下の場合は大丈夫だった。
つまり、見た目の壊れっぷりとデータ復旧に法則はないということだ。それって、たんなる時の運ということなの? そのあたりの事情を、データ復旧に協力していただいた業者に聞いてみた。
●メイン基盤が壊れるとデータ復旧は絶望的!
「自転車に乗っていてスマホを落とし、車に何回も踏まれて液晶が完璧に壊れていても、データを取り出せることはあります。逆に、ほんの少し液晶が破損しただけでデータが取り出せないこともある。いろいろなパターンがあります。正直言うと、やってみないとわからないっていうのがホントのところです。運、不運が大きいですね」
なるほど。それでは日ごろのおこないを省みて神様のご機嫌をとるしかないのですね……と諦めモードの写写丸だったが、じっくりと話を聞いてみると、どうやら運だけでもないらしい。
「液晶が壊れているぶんには大勢に影響ありませんが、メイン基盤が壊れてしまうとデータの取り出しがほぼ困難になるんです」
メイン基盤とは、操作の処理やメモリー機能を担うパーツ部分。スマホやガラケーのような精密機器には必ず内蔵されており、人間でいう脳のような役割を果たしている。このメイン基盤が無事なら、データ復旧の望みはあるということらしい。
一方、衝撃で一瞬にしてメイン基盤が壊れてしまったケースはともかく、水没なら応急処置のしようもあるという。
「普通の水没は電池を外して乾かせばなんとかなることが多いんです。海水などの塩水だと、ショートが普通よりも激しくなって基盤が焦げだらけになります。電池は外して水洗いしてから乾かすようにしてください」
水没の場合はすぐに乾かす! 塩分は洗い流す! そうすれば、大事なデータが戻ってくる可能性が高いのだ。だが、もちろん電子レンジで加熱するのはNGだ。
「過去にも『レンジで乾かすといい』という情報をネットで見て試したけれど、結局、直らずにうちに持ち込んだ人がいました。これだと基盤がただれるだけで、端末が復活することは絶対ありません」
やはり、そうでしたか……。そこで、写写丸はスマホをレンジにかけてみたところ、わずか5秒で火を噴いてしまい、体に悪そうな臭いがあたり一面に漂ってしまったのでした。
(週刊FLASH 2013年2月12日号)