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ふたご座流星群、2020年の日本のピークは「12月14日午前3時」上手に観るコツは?

ライフ・マネー 投稿日:2020.12.13 11:00FLASH編集部

ふたご座流星群、2020年の日本のピークは「12月14日午前3時」上手に観るコツは?

撮影・大西浩次氏(2014年12月)。星景写真家・天文学者である大西氏は、全国各地で星景写真の個展を開催している

 

「毎年、一定数の流星が出現し、肉眼で観測しやすい流星群として、『しぶんぎ座流星群』『ペルセウス座流星群』『ふたご座流星群』の3つが挙げられます。そのうち、いちばん多くの流れ星を私たちに観せてくれる最大の流星群が、『ふたご座流星群』です」

 

 

 そう話すのは国立天文台天文情報センター・広報普及員の佐藤幹哉氏。流星群の活動は徐々に活発になり、世界的に最も活性化する時期の「極大」を迎えた後は沈静化する。

 

「2020年の極大は、12月14日の昼間(午前中)の時間帯ですが、日本では観察できないので、観ごろは12月13日の深夜から14日の夜明け前の時間帯になります。

 

 月が明るいと流星は観えづらいのですが、2020年はちょうど、新月の時期に重なって月明かりがないため、観測するにはとても条件がいい。あとは天気次第です。もし極大の日の天気が悪そうなら、前後1日を狙うのがいいですね。

 

 年によって違いますが、2020年は極大の前より、後のほうが流星が少し多いと予想しています。あとは、ふたご座流星群の特性として、極大の前は暗い流星が多く、後は明るい流星が多い傾向にあります。天気予報を見て、観測日を決めるといいでしょう」

 

 ふたご座流星群には、こんな特徴もあるという。

 

「どの方向でも観られるので、寝転がって視野を広く保ち、真上を眺めるのがおすすめです。ふたご座が真上にあるときは、天から降ってくるように観えるので、地平線に近い空を観るのも楽しいです。地域によって多少時間は変わりますが、ふたご座が真上にくるのは深夜1時台です」

 

 気象条件にもよるが、絶好の観測チャンスである2020年こそ、多くの流星を観たい。上手に観るコツは、あるのだろうか。星空に興味を持ち、天文情報に通じた女性たちの総称として、天体望遠鏡や双眼鏡などの総合科学機器メーカー・ビクセンが提唱している「宙ガール」のひとり、武井咲予さんに話を聞いた。

 

「私は『星のソムリエ』の資格も持っているので、観測会や星空写真撮影講座などを開いています。流星観測は、なるべく空を広く観たほうがいいので、夜でも入れる大きな公園や河川敷などがおすすめです。

 

 一点を観るのではなく、空全体を肉眼で眺めて待ちます。街明かりはないほうがいいですが、木々や高い建物の多い所は視界が遮られ不向きです。夜間なので、安全第一と周囲へのマナーや配慮も忘れずに」

 

 前出の佐藤氏も同じ意見だが、こう加える。

 

「ふたご座流星群の場合は、数は少なくなりますが、市街地でも観測できます。自宅の窓越しやベランダから観ていただいても、かまいません。目が暗さに慣れるまでに時間がかかるので、最低15分は観ていただきたいですね」

 

 一方、武井さんが「注意してほしい」と危惧するのは、防寒対策だ。

 

「流星観測には寝転ぶのがおすすめですが、想像以上に冷えます。銀マットを敷いて寝袋や毛布にくるまり、帽子や手袋もつけて暖を取りましょう」

 

 佐藤氏は、懐中電灯が2本あると便利だと話す。

 

「移動のとき用と、観測中に手元を照らす用です。目が暗さに慣れた状態を保つには赤い光がいいので、観測中に使う電灯には、赤いセロファンを貼ったりするといいですよ」

 

 流星を写真に収めたいという人も、多いと思うが……。

 

「スマホでは、まず撮れないですね。一眼レフやミラーレスなどで、マニュアル設定ができるカメラに三脚を据え、標準から広角レンズを使い、15~20秒程度の露出でピントを星空に合わせてISO感度を高めにし、インターバル撮影(一定の時間間隔で自動撮影する機能)などを設定します。

 

 確率としては、『ひと晩で1000枚ほど撮影して、数枚、流星が写っていればラッキー』という感覚です。撮影ばかりに気を取られていると、せっかくの流星を見逃してしまうので、あとはカメラにまかせて、夜空を楽しみましょう。

 

 ふたご座エリアから四方八方に星が流れていくので、元をたどれば、ふたご座がわかりますし、流れた先の星座に気づいたりします。流星と星座を一緒に観るのは楽しいですよ」(武井さん)

 

 ゴロンと寝転んで星空を楽しめば、コロナ疲れの癒やしになるはずだ。

 

(週刊FLASH 2020年12月22日号)

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