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著者が語った『言い換え図鑑』具体的な言葉を使い肯定文にせよ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.08 11:00 最終更新日:2021.08.08 11:00
バカ売れ本の著者に無茶ぶりして聞きました。
「中身を1行で教えて!」
著者の大野萌子さんによると、『言い換え図鑑』のポイントは「具体的な言葉を使い、肯定文にする」だそうです。
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よけいなひと言と思われがちな言葉は、好かれるセリフに変えていきましょう。本書では、コミュニケーション不全に陥らないための豊富な言い換え例を紹介しています。
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たとえば「できれば」や「可能だったら」というフレーズ。これは相手に配慮する気持ちで使いがちですが、柔らかく言おうとして失敗している例です。
「できれば早めにお願いね」とか、上司が悪気なく使う言葉ですが、いわれたほうは「できれば早めっていつ?」と、目安がなくて惑わされてしまう。
時間や日程の感覚は個人差があるため、トラブルに発展することが多いのです。曖昧な表現は避けて、「週末まで」「月末まで」など期限を設けてください。
また、「こうするべき」も危険です。経営者や管理職には、特に「べき論」で話す方が多い。経験値もあるから使いがちなのですが、相手には「押しつけ」「高圧的」に聞こえてしまいます。
有無を言わせない印象があり、強制的だとしてパワハラ認定されることもあります。「べき論」自体は悪くないのですが、「こうしてください」にするだけで受け取り方がまったく変わります。
とはいえ、受ける側がなんでもかんでもハラスメントにしてしまうことも問題。気にしすぎると何もしゃべれなくなってしまうので、神経質にならない程度に注意しつつ、「べき」という表現を避けることをおすすめします。
年長者がよく使いがちな言葉に「そんなことも知らないの?」がありますよね。マウンティングして、相手を見下した言い方です。悪気なく使っている方が多いですが、言われたほうは傷つき、不快に感じます。
これは「わからないことがあれば教えます」「これで調べるとわかるよ」などにしましょう。知らないのは仕方がないことだから、わかりやすく教えてあげるのが信頼関係を築く第一歩です。
ただ、「教えたがり」おじさんにはならないように。「知らないなら勉強しなきゃダメだよ!」と、参考書まで渡されて怖かった、という相談を受けたことがあります(笑)。
疑問形では、「なぜ?」は要注意。追及型の言葉であり、これも責めにしか聞こえません。「なぜミスをしたの?」は「どうすればミスを防げる?」などにしましょう。そして、部下が問題を解決できたときはきちんとほめてください。
思いつきをすぐに発言するのではなく、少し考えて適切なセリフに変換していければ、相手から嫌われることもありません。
おおのもえこ
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ?資格認定機関)代表理事。産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。コミュニケーション・ハラスメント・メンタルヘルスに関連する研修・講演を防衛省をはじめ、大手企業等で年間150件以上おこなう
(週刊FLASH 2021年8月17日・24日号)