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食堂のおばちゃんの人生相談「自分は運が悪い気がする」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.16 11:00 最終更新日:2021.08.16 11:00

食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/おはなぢゃやさん(34)自営業】

 

 

 自分は運が悪いと思う反面、どうでもいいことで運を使っているような気もする。ここぞというとき運気を上げる方法はないですか?

 

【山口先生のお答え】

 

 おはなぢゃやさんの感想は、松本清張賞受賞以前の私とよく似ていますね。私も、文筆という肝心なことでは不遇(苦節約25年)なのに、変な運はありました。

 

 それは買い物運です。私はおしゃれが好きなのですが、以前は洋服代の上限1万円、今はイチキュッパ(1万9800円)、それ以上高い物は買いません。どうせ1年で流行遅れになっちゃうし。清張賞の授賞式で着たドレスだけは、奮発して3万9900円で買いました。

 

 どうやら私には買い物の神様がついていて「あんな服欲しい!」と思うと、必ずゼロが1個か2個少なくて、似たようなデザインの服が見つかったのです。テレビに出て着た服も、全部イチキュッパ以下ですが、結構皆さんに「ステキ!」と褒められます。

 

 すべての運に見捨てられても、買い物運だけは私を見放さないのだなあ……と思ったものです。

 

 そして、よく考えると悪運も強かったです。事態が悪化しても最悪は免れていました。母が急に老いていった時期と私が更年期鬱を発症した時期は重ならなかったし、『月下上海』を執筆した期間と食堂の大騒動の期間も重なりませんでした。

 

 悪いことや大変なことを2つ同時に抱えなかったので、なんとか乗り切れたのでしょう。

 

 つまり、悪運も運のうち。その運の巡り合わせに感謝して、大切にしてください。そして、カッコつけずに頑張りましょう。そうすればいつか必ず運は開ける、運気は上がると思います。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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