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人生100年時代の「これから年表」50歳から必要なのは「情報」「趣味」「睡眠」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.23 06:00 最終更新日:2021.08.23 06:00
「人生100年時代」といわれて久しい。長らく40歳が人生の折り返し地点とされてきたが、今や50歳と考えるべきだろう。
「50歳から、さらに50年という長丁場をどう生きればいいのかと考えてしまうかもしれません。でも、何歳ごろにどんなトラブルに巻き込まれやすいのかがわかれば、事前に対策を立てられます。老後はけっして暗くはありません」
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こう話すのは、『老後の年表』の著者で、老後問題解決コンサルタントとして活動する横手彰太氏(48)。人生後半の問題に対処するためには、いつ何が起こるかを知り、40代から “自分の武器” を身につけておくことが重要だという。
「何事も有益な情報は一次情報にあり、まずは一次情報を得ることです。いまの時代、どうしてもインターネットから情報を得がちですが、そういった情報はすべてどこかから引用した二次情報で価値は低い。本を読むほうが手っ取り早く正確な情報を得られる。
とにかくフットワークを軽くすることが大事です。興味が湧いたら講演会やセミナーに行く。5000円程度かかるかもしれませんが、1回飲みに行くのをやめたと思えば安いものです」(横手氏、以下同)
■自分にとって何が大切か価値観を持て
ビジネスで生き残るのに不可欠なプレゼン力は、言葉を磨くことで身につくという。
「オレオレ詐欺がいまだに横行していますが、詐欺は言葉から始まります。よくも悪くも言葉は大きな力を持っています。
言葉の力を磨くという発想が、あまりサラリーマンにはないですが、強い言葉を持っている人の話を何度も聞く、本を何度も読み直して心に刺さったフレーズを抜き出す。このようなことで言葉のセンスが身につき、自然とプレゼン力も向上します」
仕事を円滑に進めるにはコミュニケーション力が重要だといわれるが、横手氏は捨ててもいいと言う。
「そもそも女性に比べて、男性は話し下手です。パフォーマンスを上げるためには、自分の性格をあらためて観察し直して、マイルールを決めればいいんです。
口頭でのコミュニケーションが苦手なら、メールでいい。仕事を進める方法はいくらでもあります。結果が出せれば、自分にとって大切なことを優先すればいいんです。価値観をしっかり持つと、人生が楽になります」
■家と会社以外の場所で趣味を楽しめ
最近は、役職定年や定年退職でうつになる人が増加しているといわれる。
「大企業に勤めて一度も転職したことがない方は危険ですね。朝に出社してから帰宅するまで、寝る以外のほとんどの時間を仕事のために費やし、なによりも会社に依存しています。定年後に頼る相手を失ってうつにならないためには、早いうちから家、会社に次ぐ “サードプレイス” を見つけておくことが大事です。
サードプレイスとは、自分にとって居心地がいい場所のこと。そこで趣味を楽しむことで、幸福感を高める脳内物質のセロトニンが分泌されます。
スターバックスで読書するでも、居酒屋に飲みに行くでも、山登りでも、仲間とギターを弾くでもなんでもいい。家と会社以外で、仕事とは関係のない自分が好きなことに没頭できる場所を作っておく。
そうすれば、ひきこもりも避けられます。ぜひ、奥さん自身にもサードプレイスを見つけてもらいましょう。
それぞれのサードプレイスがあれば、『夫が毎日家にいて困る』なんていう夫婦喧嘩や、熟年離婚も避けられます」
また、横手氏は「睡眠負債」について提言する。
「睡眠は7時間以上取り、朝は起きたら散歩をする。日光を浴びると、心を安定させる脳内物質セロトニンが分泌されます。そして3食きちんと食べる。
50代からこうした規則正しい生活を送ると『フレイル』という、病気ではないが日常生活に支障をきたす状態に陥らずにすみます。
また、睡眠不足が長年続く睡眠負債が溜まると病気にかかりやすくなり、医療費を増大させます。100歳以上のセンテナリアンになったときに、寝たきりの生活とならないためにも睡眠は重要です」
100歳で笑って過ごせるか否か。すべては40代、50代のおこないにかかっている。
(週刊FLASH 2021年8月31日号)