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食堂のおばちゃんの人生相談「ダジャレを言うと “親父ギャグ” とバカにされる」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.15 11:00 最終更新日:2021.10.15 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/匿名希望(50)会社員】
会社でダジャレを言うと、いくら面白くても “親父ギャグ” とバカにされます。バカにされない方法は?
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【山口先生のお答え】
う~ん。このお悩み、実はかなり人生の深淵に迫る問題ですよ。
結論から言うと、人間って結局、その人の内面がどうかより、その人の地位とか、すでに確立したキャラで判断され、評価を下されるんですね。
私の場合、マスコミ取材やテレビ出演で毎回「面白いですねえ」と評価をいただいております。でも、私は清張賞をいただいて急に面白くなったわけじゃなくて、昔から「面白い人」だったんですよ。今マスコミ向けに話しているようなことは、二十五年前からすでに言っていました。ところが、“宝石屋のネエちゃん” や “食堂のおばちゃん”、つまりまったく無名の市井の人が何を言ったって、世間は聞く耳持たないわけ。それがちょっと名前が出たら、見事に掌返しですよ。これが人間なんです。
だから、もしみんなに聞く耳を持ってほしかったら、ただのオヤジを脱却する以外ないと思います。
宝くじを当てて6億円オヤジになるとか、線路に落ちた人を助けて英雄オヤジになるとか、出世して部長になるとか、やり方はいろいろですが、とにかくBIGなオヤジになりましょう。でも、子供いっぱい作ってビッグダディになるのは、もう手遅れかも。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中