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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」説明力がアップする7つの方法
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.18 06:00 最終更新日:2021.10.18 06:00
10月4日、菅義偉内閣が総辞職しました。菅内閣はコロナ禍という前例のない危機的状況のなか、五輪の開催やワクチン接種の点で一定の成果を上げたと思います。
しかし、説明力の点でものすごく損をしていた。記者会見や国会答弁での自信のない表情、弱々しい声、泳いでいる目……。これでは、どんなに立派なことを話しても、説得力が生まれません。
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心の中は不安でも、せめて声や態度だけでも堂々としていたなら、国民の印象や信頼感もまったく変わったものになっていたでしょう。
このことからも、的確な説明力、あるいは、相手を納得させる伝え方・話し方は、とても大切であることがよくわかります。
■一生を左右するビジネススキル
日々の仕事、ビジネスの場面において、説明する力は不可欠です。
顧客との商談、上司への報告、取引先を前にしてのプレゼンテーションなど、連日誰かに説明をしているはずです。上手に説明できれば、顧客から信頼され営業成績が上がり、上司からの評価が上がる。説得力のあるプレゼンテーションができれば大きな案件がまとまったりするのです。
一方で説明がヘタな人は、一生懸命頑張っているのに、その努力が伝わらない。自分の責任でもないことで不興を買いやすいため、周囲の評価も厳しいものになりがちです。
こうしたことを考慮に入れると、「説明力」はサラリーマン、ビジネスマンにとって、一生を左右する重要なビジネススキルといえます。そこで今回は、説明力がアップするための方法を、7つのポイントに絞ってお伝えします。
(1)結論を最初に言う
「わかりやすい説明」をするために、今日から実践できる方法、誰にでもできる最も簡単な方法。それは、「結論を最初に言う」ことです。
「私はその提案に反対です。なぜならば~」という論法です。日本語は、文法上、最後まで聞かないと、肯定か否定かわからないという特徴があります。そのことを意識せずに話すと、必然的に結論がわかりづらくなります。
たとえば、「Aさんの意見は○○が考慮されておらず、××のリスクはアップする一方で、アンケート調査の結果は△△なので、私はその提案に反対です」。
このように、「反対です」の結論までに、1分以上かかる場合もあります。これでは、聞いているほうも集中力が下がり、最後の「反対です」を聞き逃すおそれがあります。
(2)一文を短くする
「Aさんの意見は○○で、Bさんの意見は××で、アンケート調査の結果は△△なので、私はその提案に反対です」のように、説明のヘタな人は、文章と文章を「で」や「ですが」などでつなげてしまいがち。その結果、一文が長くなればなるほどわかりづらくなり、聞き手の理解力は下がります。
「私はその提案に反対です。なぜならば、Aさんの意見は○○です。Bさんの意見は××です。アンケート調査の結果は△△だからです」
文章を「つなげる」のではなく、一文ずつ「切る」ことで、わかりやすさが格段にアップします。
(3)形容詞ではなく数値を使う
形容詞を使わずに、できるだけ統計や研究などの数値を使うことを心がけてください。たとえば「弊社の売り上げは、コロナの影響で大幅に低下しました」だったら、「弊社の売り上げは、コロナの影響で43%低下しました」のように変えます。
「たくさん」「大幅に」「著しく」など、形容詞を使えば使うほど、「あいまいさ」が強調されてしまいます。そうならないよう、数値を事前に調べておいて、できるだけ説明に盛り込むようにする。説得力に加え、「あらかじめよく調べているな」「正確な内容だな」という高評価にもつながります。
(4)権威を利用する
数値を挙げる際、「経産省の2020年の調査によると~」「ハーバード大学の研究によると~」のように、出典をはっきりさせるとさらに説得力が増します。
あなたの個人的な考えや意見をどれだけたくさん述べても、内容に対する信頼性はアップしません。代わりに、統計や研究などの客観的なデータ、それを発表している団体の “権威” を使えば、発言者の信頼度も高まります。