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絶景!冬の鉄道写真…醍醐味は「一枚の美しい画となる瞬間」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.23 11:00 最終更新日:2022.01.23 11:00
■冬の雪は列車が走る風景を一変させる
「冬の鉄道撮影では、列車が巻き上げる雪煙や雪塊、水辺で起こる毛嵐や結氷など冬ならではの不確定要素が多くあります。また、SLの煙や気動車の排気なども、冬にはより鮮明にとらえることが可能です。大自然の雪景色に加え、これらをどう写真に収めるかが、冬の鉄道撮影の醍醐味だと思います」
そう語るのは年間300日以上も撮影に臨み、18万カットもの鉄道写真を撮り、年間30冊以上の鉄道出版物に写真を提供する日本一の鉄道写真家集団「レイルマンフォトオフィス」の山下大祐氏だ。
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コロナ禍で彼らの「被写体」にも大きな変化があったという。
「コロナ禍で観光列車はほぼ休止となり、通常の特急列車の運転本数も大幅に減りました。たとえば成田空港に向かう『成田エクスプレス』、関西空港に向かう『はるか』のように、これまで普通に都市部を走っていた特急さえも被写体としてレア化しました」
鉄道撮影のトレンドにも変化が出てきたという。
「遠方のレアな景色だけでなく、自宅近くの馴染みの路線で撮影スポットを探す=トレインビュースポット探しが、鉄道写真家たちの間で、コロナ以降の新たなトレンドとなりつつあります。コロナ禍で人出の減った施設やビルの展望室などが、以前より撮影しやすい場所として注目を集めていますね」
彼らが得意とする「絶景撮影」にも影響が。
「人出が減り、撮影は以前よりしやすくなったのですが『お祭りの横を走る列車』のような『人の暮らしと鉄道』を絡めた構図は、撮影しにくくなりました。そのぶん、今回ご紹介したような鉄道と大自然によって偶然生まれた風景を中心に撮っています」
最後に冬の鉄道写真の魅力について、同氏はこう語る。
「冬の雪は鉄道の走る土地の風景を一変させます。それだけでも魅力的ですが、自然の産物である白い雪と、真逆の存在であるSLの黒い煙などが、同じ写真の中で鉄道とともに一枚の美しい画となる瞬間があります。それをとらえることのできる冬の鉄道撮影は、ほかのどの季節とも違う魅力があります」
【ストーブ列車】津軽鉄道 津軽鉄道線(津軽中里駅~津軽五所川原駅間)
【サンダーバード】JR西日本 北陸本線(大阪駅~金沢駅間)
【海里】JR東日本 羽越本線(新潟駅~酒田駅間)
【TRAIN SUITE四季島】JR東日本 奥羽本線(上野駅~弘前駅など~上野駅/2泊3日コース)
写真・レイルマンフォトオフィス