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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』片付けするなら朝!がいちばんいい理由
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.31 06:00 最終更新日:2022.01.31 06:00
1月25日は年に3回ある「主婦休みの日」のひとつ。家事や育児に頑張る主婦がリフレッシュできる日、ということですが、もしあなたの奥さんが主婦でしたら、その日は奥さんにゆっくりしてもらって、家の片付けをしてみてはいかがでしょう? そこで、今回は「精神科医が教える片付け術」をお届けします。
とは言ったものの、私は片付けが非常に苦手です。ただ「苦手」なりにそれを克服すべく、いろいろと工夫をしてきましたので、その成果をお伝えします。
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■(1)朝イチにやる
「休みの日はゆっくりしたい、自分の好きなことに時間を使いたい」。そう考えて、仕事から帰ってきた夜の時間帯に片付けをする人もけっこういるのではないでしょうか? しかし、それこそが片付けがはかどらない、最大の原因なのです。
片付けの最中は「これを捨てようか?」「やっぱり、とっておこうか」と迷ってしまいますね。このように、判断、決断をするときは、そのたびに意志力(ウィルパワー)を消費してしまいます。
仕事から帰った後は、会社でさまざまな判断や決断をしているために、ウィルパワーがほとんど残っていません。そんなヘロヘロの状態で、「捨てる」「捨てない」を決断するのは土台無理な話です。
では、ウィルパワーがいちばん充実しているのは、いつでしょう?
それは、「朝」です。
ということで、サクサクと片付けたいなら、ウィルパワーが充実している朝、それも朝イチにやるべきです。
片付けが苦手な人ほど、「朝の片付け」がものすごくはかどることが実感できるはずです。
■(2)人に役立ててもらう
片付けが苦手な人の思考として、「捨てるのをもったいなく思う」ということがあるでしょう。「もったいないお化け」が出てきて、処分するのを邪魔するのです。
そういう人は、不要なものを捨てる代わりに、誰かにプレゼントするのはいかがでしょう。
私は月に本を20~30冊買うのですが、保管場所にも限界があるので、そのうち半分は処分します。とはいえ、1冊1500円のビジネス書を捨てるのはもったいない。メルカリなどに出品すればそこそこの値段で売れるのでしょうが、それも面倒。まとめてブックオフに持っていっても、二束三文にしかならない。
ならば、ほかの人にあげて役立ててもらうのがベストです。まわりでその本を最も必要としている人、最も役立ててもらえそうな人にプレゼントすると、本当に喜ばれます。
処分することで人から感謝される、そして誰かの成長につながるならば、なんとすばらしいことでしょう。衣類も、古着回収や寄付などに出すと、「もったいないお化け」から逃れることができるので、一石二鳥です。
もちろん、メルカリなどに出品するのもいいでしょう。部屋の片付けをするほどに、お小遣い収入が増えるならば、片付けのモチベーションもアップします。
■(3)「自分ルール」を決めておく
自分なりの「捨てる」「捨てない」の基準を、あらかじめ決めておくことも重要です。ただ、自分にとって「必要」か「必要でない」かの基準だと、判断に迷い、長考状態に陥りがちです。
世界的に「片付け」ブームを引き起こした、シリーズ累計1000万部超えの大ベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)の「こんまり」こと近藤麻理恵さん。
こんまりさんの判断基準は非常に明快で、「ワクワクするかどうか」。ワクワクしないものはすべて捨て、ワクワクするものだけをとっておく。結果として、「ワクワクする」ものに囲まれて暮らせる、というわけです。
私は洋服を処分する場合、「1年ルール」で判断します。「ここ1年、一度も着なかった服は捨てる」という基準です。1年着なかった服は、デザインもどんどん古くなるので、この先、着る確率はほとんどありません。この基準だと一瞬で判断できるので、我ながら非常によいルールだと思います。
それでも、気に入っていた服の場合、処分するかどうか迷うことも皆無とはいえません。黙々と作業していると、「やはりとっておこう」という衝動に襲われます。そういうときは「この服は、1年着ていないから捨てよう!」と、言葉に出して言うこと。そうすると、捨てざるを得なくなるのです。
これは、心理学の「認知的不協和」のなせるワザです。人は自身の認知の中に、「矛盾する認知」を抱えると強い不快感が生じます。そして、それを是正しようという行動に向かうのです。
「1年着ていないから捨てよう」という自分と「もったいないから、とっておこう」という自分は、矛盾していますね。しかし「1年着ていないから捨てよう!」と言葉に出して言ってしまった事実を打ち消すことはできません。
このとき、「とっておく」という判断をすると、自分が嘘をついたことになるので、強い不快感が生じてしまうのです。
不思議なもので実際にやってみるとわかりますが、「この服は、1年着ていないから捨てよう!」と宣言すると、「もったいないからとっておこう」という感情に簡単に打ち勝つことができるのです。
また、「1着買ったら、1着捨てる」というルールを作っておくと、自然に洋服の整理ができます。新しいジャケットを1着買ったら、いちばん古い、あるいはずっと着ていないジャケットを1着、強制的に処分するのです。新しいジャケットを買って気分が高揚している(幸福物質=ドーパミンが分泌している)状態なので、「もったいない」感情が打ち消されるのです。
「靴を1足買ったら、1足捨てる」というルールもいいですね。これらのルールを守ると、クローゼットや靴箱から、服や靴があふれ出す事態を防ぐことができます。