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相鉄「東急へ乗り入れ」に鉄道“相互直通”研究家が大興奮「海老名発の浦和美園行き列車が来てしまう!」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.01 18:08 最終更新日:2022.02.01 18:08
相模鉄道は、2023年3月に「新横浜線」(羽沢横浜国大~新横浜間)を開業し、東急新横浜線(新横浜~日吉間)、東横線、目黒線と相互直通運転をおこなうことを発表。それにより、東急線と繋がる東京メトロ南北線、副都心線、都営三田線、東武東上線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線との間で直通列車を走らせることが決まった。これにより、7社局14路線を結ぶ広大なネットワークが形成される。
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また、JR新横浜駅に隣接して相鉄・東急の新駅が造られ、「新横浜線」利用者の新幹線へ乗り換えが可能になる。
新線開業と直通運転拡大は相鉄グループが掲げる「都心直通プロジェクト」の一環で、2019年11月にJRと直通して都内進出を果たした。相鉄の車両は「ヨコハマネイビーブルー」と名づけられた濃紺の塗装が特徴で、JR新宿駅などでダークで深みのある青色の車両を時々見かけるようになった。
グッドデザイン賞にも輝いた車両が、これからさらに広範囲かつ高頻度で出没することになる。相互直通運転を研究する、鉄道作家の所澤秀樹氏が解説する。
「コロナ禍で停滞気味の鉄道業界で、相鉄の新横浜線は目玉ニュースです。JRに乗り入れている車両は12000系ですが、東急に合わせてそれより車幅が若干狭い20000系と21000系が、来年から東京都心に現われることになります。
じつはすでに入線試験を東急、都営地下鉄、東京メトロ内でおこなっていて、先日、千代田線の綾瀬の車庫にも入りました。鉄道好きが、YouTubeにその様子の動画をアップしています。今後も、試運転は夜中などにおこなわれるはずです」
相互直通運転のメリットはなんだろうか。
「他社線の区間を走る際は、自社の車両を他社に貸すことになり、これはあとで使用料清算の必要があったりして、面倒な手続きが生じるのは事実です(実際は他社車両の自社走行距離により相殺となるようにダイヤを組む)。事故などでダイヤが乱れたときも複数の社局間で調整が必要となり、これもかなりやっかいです。
ただ、それにも増して、相鉄は都心を走ることの宣伝効果のほうが高いと考えたのでしょう。若いカップルなどにアピールし、相鉄沿線に住む人口を増やせれば、会社の発展とともに地域貢献もできます。
このたび、東武東上線と同様に副都心線経由で東急線に乗り入れる西武池袋線は、相鉄と直通運転をおこなわないと発表しました。西武線から相鉄・東急新横浜線方面には、すでに直通しているみなとみらい線の横浜駅方面と比べて、利用者が少ないと見込まれることが理由だと言いますが、会社で判断が分かれるのはおもしろいですね。
とにかく来年3月に、海老名発の浦和美園行きや湘南台発の西高島平行きなどの長距離列車が誕生するのが楽しみです。私が今住んでいる神戸で、首を長くして開通を待っています」(所澤氏)
ヨコハマネイビーブルーの導入を含め、2016年より会社のイメージアップを図るブランド戦略を実行し、都心部への参入の準備を着々と進めてきた相鉄。“帝国”の版図を拡大し、人々の心を掴むことができるか注目だ。
( SmartFLASH )