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伝説の投資家ウォーレン・バフェットが日本の商社株を大量買い増し…今こそ買いどきなのか専門家に聞いた

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.23 06:00 最終更新日:2022.11.23 06:00

伝説の投資家ウォーレン・バフェットが日本の商社株を大量買い増し…今こそ買いどきなのか専門家に聞いた

写真:ロイター/アフロ

 

投資の神様” と称され、個人資産1000億ドル(15兆円)を超える世界屈指の資産家ウォーレン・バフェットが、日本を買い進めている。

 

 11月21日、バフェット率いるバークシャー・ハザウェイが、三菱商事、三井物産など日本の5大商社株の保有比率を引き上げたことが、財務省関東財務局に提出した変更報告書で明らかになった。

 

 2020年8月、バークシャーが5大商社株を5%超保有していると判明したが、今回提出された報告書では、

 

・三菱商事:6.59%(前回報告は5.04%)
・三井物産:6.62%(同5.03%)
・住友商事:6.57%(同5.04%)
・伊藤忠商事:6.21%(同5.02%)
・丸紅:6.75%(同5.06%)

 

 と、全社とも6%台まで保有比率を高めている。さらにバークシャーは、商社株を最大9.9%まで買い増す可能性もあるとしている。

 

 

 世界の株高から出遅れた日本市場で、バフェットが日本の商社株を大幅に買い増したのはなぜか。経済評論家の山崎元氏はこう解説する。

 

「日本の商社は、数多くのビジネスを抱えた複合体ですが、これは株式評価としては、『コングロマリット・ディスカウント』(多角化経営は専業より低評価)という現象が働いてマイナス要素となります。

 

 しかし、ウォーレン・バフェットは、将来的にこの問題が改善できると踏んでいるのでしょう。非効率で評価の低いうちに買っておき、業務改善のあとで儲けるというのは、長期投資として大いに考えられる視点です。

 

 もちろん、将来、商社業界の再編があるとすれば、このときも大きな果実を得られるはずです」

 

 投資を決定づけたのは「割安感」だという。

 

「日本の商社の株価は、利益に対しても、資産に対しても割安なんです。たとえば、三菱商事の株価は、1株あたりの純利益の7倍、純資産の0.85倍となっており、配当の利回りは3.4%もあります。他の商社についても同様です。

 

 また、日本の商社は、世界のエネルギーや鉱物資源の権益を持っています。資源価格は高騰しており、米国外でのエネルギーへの分散投資という意味合いもありそうです。

 

 さらに、昨今の円安で、米国にいるバフェットから見て日本株が安くて買いやすくなったことも影響していると思います」

 

 多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏も、日本株の安さが決定的だと明かす。

 

「アメリカの株、とくにナスダックは去年までずっと上がっていましたが、世界的な株高のなかで、日本株は出遅れていました。日本株は景気敏感株と言われていて、景気が悪くなるといちばん最初に売られるのが通り相場です。

 

 バフェットは基本的には “逆張り” で、高いときに売り、安くなったときに買うという投資手法です。日本の商社株はそのなかでもかなりお買い得なレベルだと考えているのでしょう」

 

 では日本株は「買い」なのか。そうだとしたら、どんな銘柄が狙い目なのか。

 

「実は、バフェット自身は日本株にあまり関心がありません。ただ、彼の “逆張り” 手法を学んで割安な株を狙うといいでしょう。たとえば、薬品株や流通株、旅行関連株で割安な銘柄は狙い目といえます。

 

 ちなみに、バフェットは、いろいろな銘柄を買うのではなく、『ここだ』と目をつけた銘柄を一点買いする手法をとっています」(真壁氏)

 

 前出の山崎氏は、インデックスファンドをすすめる。

 

「円安をメリットとして活かせる企業が有望で、特段、業種に縛りがあるわけではありません。『業種では○○が買い』みたいなのは避けたほうがよく、それよりインデックスファンド(株価指数などに連動した投資信託)を買うといいと思います。バフェット自身も、妻には米国株のインデックスファンドを買えと教えています」

 

 ボーナスも間近。“神様” の投資手法にあやかってみるのも一興だ。

 

※本記事は投資を推奨するものではありません

( SmartFLASH )

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