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92歳の脳外科医、元気の源は“人と話すこと”…「スマホで阪神戦もチェック、これがないと生きていけない(笑)」【長生き医師の養生訓】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.05 06:00 最終更新日:2023.02.05 06:00
人生の達人たちの健康の源は「驚異の好奇心」!90歳を超えても元気すぎる医師たちに、意外すぎる“養生訓”を聞いた。
「岡田監督はいいね!」
そう阪神の新監督を絶賛するのは、脳神経外科専門医の白方誠彌医師。92歳にして、湯川胃腸病院(大阪府大阪市)の院長だ。
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「宮崎県出身なので、西鉄時代からライオンズファンでしたが、大阪の病院に来てからは阪神を応援しています。岡田監督は前任(2004~2008年)のときから厳しいところがあり、監督に向いていると思っていました。方針を決めたらぐらつかず、選手にバチッと言いますから」
院長として、経営危機に陥った2つの病院を再建してきた白方医師。そんな自身と、1985年以来日本一から遠ざかるチームの立て直しを担う岡田彰布監督が重なる。
「昔から大の野球好きなんですが、青年時代は家の手伝いと勉強で、残念ながら野球をすることができませんでした」
幼少期を戦時下の満洲で過ごし、北朝鮮で終戦を迎えた。9人兄弟の長男として、両親と計11人で日本に引き揚げて来られたことは「今考えても奇跡だ」と話す。
「しかし、その後に結核で、当時5歳だった六男の弟を亡くした悔しさが、医師への道を選んだ理由のひとつです」
脳神経外科医となった白方医師は、研究に没頭した。
「当時、脳出血の治療は、動かさず安静にするのが常識でした。私は光野孝雄先生(当時、岩手医科大学教授)の指導のもと、早期であれば手術で助かると、執刀を重ねました。約半世紀前に執刀した方が元気に回復し、今も患者として診察に来ては、『先生のおかげで今がある』と言ってくれるんです」
患者やスタッフとの会話が、白川医師の元気の源だ。
「人と話すことは、脳にとっていい刺激になります。また、昨年は書籍を出版しましたが、PCでの原稿執筆や、常に忙しくしていることも健康維持にいいのでしょうね」
そう語ると、白方医師が取り出したのは、若者の間では依存症も問題になっているスマートホンだ。
「仕事の連絡やスケジュールは、すべてスマホで管理しています。スマホを見るのは不養生だといわれていますが、これがないと生きていけない(笑)。『スマートニュース』で、世界で今何が起きているかをチェックしています。阪神だけでなく、相撲や巨人の動向もチェックしていますよ。原監督は今季、優勝を逃したらクビらしいね(笑)」
SNSもお手のものだ。
「自分は投稿しませんが、友人たちの投稿を見て楽しんでいます。友人の誕生日に『おめでとう』とコメントして交流したり、楽しいですね」
写写丸世代も見習いたい、驚異の好奇心だ。
白方誠彌医師
1930年生まれ 九州大学医学部卒業。NPO法人「アミティ・バングラデシュ」代表として、国際協力活動も。近著に『誰かのために生きてこそ』(幻冬舎)
取材&文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)