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「餃子日本一」宮崎市が2連覇 毎年ニュースになる日本人の餃子愛、大躍進の「第4の都市」を専門家が解説
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.08 17:10 最終更新日:2023.02.08 17:10
2月7日、総務省が2022年の家計調査を発表した。この調査で毎回、注目を集めるのが「ギョーザ(餃子)」だ。「1世帯あたりのギョーザ支出額」で「日本一の餃子の街」の座をめぐって、熱い戦いが繰り広げられているのだ。
2022年の1位は宮崎市で、支出額は4053円。2位は宇都宮市で3763円、3位は浜松市で3434円という結果となった。宮崎は2年連続の日本一。かつては、宇都宮と浜松の「2強」時代が続いたが、いまや「3強」の時代なのだ。
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家計調査では、外食や冷凍の餃子は対象外。スーパーや店舗で購入し、持ち帰った焼き餃子や生餃子が対象となる。宮崎では2020年に「宮崎市ぎょうざ協議会」を立ち上げ、さまざまなイベントをおこなうなどして「日本一」の座を手にした。
それにしても、なぜ日本人はここまで餃子に熱狂するのだろう。一般社団法人「焼き餃子協会」代表の小野寺力氏に聞いた。
「餃子は、戦後に満州から引き揚げてきた人たちによって広められ、日本各地で食べられるようになりました。中国では水餃子が主流ですが、日本では『焼き』が独自に進化し、広まりました。戦後の食糧難の時期、米よりも小麦粉を入手しやすかったという時代背景もあったようです。
餃子は肉、野菜、穀物が材料で、5大栄養素をすべて含む完全食品。また適度な大きさで、人によって食べる個数が違っても、シェアできるという便利さがあります。また、家庭で簡単に作れる手軽さもあり、老若男女に愛される存在になったのではないでしょうか」
宮崎の「強さ」についてはこう分析する。
「宮崎市は、購入頻度でも888回で1位。2位が前橋市の775回ですから、ずば抜けています。宮崎では『冷凍生餃子』の人気が根強いことと、餃子関連のイベントが多く開催された影響もあると考えています。
宇都宮と浜松は相変わらずの強さですが、コロナ禍がひと段落し、消費が内食から外食に戻った影響かもしれません。この2市については、もはや家庭調査では測れないレベルに餃子文化が成熟した都市だと考えています」
そしていま、小野寺氏が注目している都市があるという。
「今回の調査で、支出金額4位になった鹿児島市です。2999円で、前年の8位から大躍進しています。宮崎の強みは、具となる豚肉やキャベツ、ニラの生産が全国屈指であることですが、鹿児島も宮崎同様に畜産王国です。そして2022年に『鹿児島ぎょうざ協議会』が設立され、積極的にイベントなどのPRをおこなっています」
鹿児島といえば黒豚。「餃子ダービー」のダークホース、いや、ダークポークかも――。
( SmartFLASH )