パチンコ「CR花満開」などの人気機種で知られる老舗メーカー・西陣が、3月1日、廃業を発表した。
パチンコ離れの深刻さが伝わってくるニュースだが、業界関係者からは「4月以降は、ホールがヤバい。2022年以上に閉店が相次ぐかもしれない」という声が聞こえてくる。
その最大の理由は、多くの大手電力会社が電気料金の値上げを予定しているからだ。この値上げは企業向けも例外ではない。
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「これまでも、新電力会社と契約するなどしてコストを抑えてきましたが、肝心の電力会社が倒産したり、値上げしたりしたので、経営は大変です。昨今は、パチンコ台にも節電モードなどがあり、それなりに省電力化されていますが、それでも、たとえば300台設置されているホールでは、年間1000万~1500万円の電気代がかかります。電気代が2割、値上げとなれば、最低でもプラス200万円。しかも『今日はお客さんが少ないから、半分の台は電源を切ります』という“間引き”ができません。広いホールで、ただパチンコ台が虚しく光り輝き、電気を消耗していることになります」(パチンコライター)
昼は外看板の照明を消し、ホール内の電球も少なくする、空調の温度は低めに設定して、暖房便座のスイッチも切るなど、各パチンコ店は努力をしてきている。平日は営業を休止するホールもあったほどだ。しかし、それでも限界なのだという。
「そのツケが、出球に影響しているんじゃないかというファンの疑心暗鬼が、客足にも影響しているかもしれません」(前出・パチンコライター)
それでも4月には、満を持して、玉に触れることがないスマートパチンコ(スマパチ)が登場する。機械トラブルがかなり少なくなるので、人件費の削減になり、「出球率がよくなる」(業界関係者)ともいわれており、客足は戻ると期待されている。
だが、導入には多額の費用がかかる。中小のホールは、客入りの効果が見極められるまで導入しないのでは、とささやかれてもいる。電気代にしてもスマパチ導入にしても、小規模のホールにはつらい桜の季節になりそうだ。
( SmartFLASH )