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ちょい買いできる「ファミマ服」徹底研究!ソックスは2年で1000万足売り上げ、快進撃の裏側を聞いた

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.12 06:00 最終更新日:2023.03.12 06:00

ちょい買いできる「ファミマ服」徹底研究!ソックスは2年で1000万足売り上げ、快進撃の裏側を聞いた

コンビニエンスウェア「ファミマ」服

 

 2021年3月に販売を開始、アパレル業界を席巻しているファミリーマート発の衣料品ブランド「コンビニエンスウェア」。悪天候時の着替え用など緊急時に購入される存在だったコンビニ衣料を、指名買いされるまでに押し上げた「ファミマ」服を徹底研究。

 

■ちょうど “いい服” はコンビニにあった!

 

 2021年3月の全国展開からわずか2年で売り上げたソックスの数は驚きの1000万足。ファミリーマートが全国1万6500店舗で販売している「コンビニエンスウェア」が絶好調である。

 

 

「これまでコンビニの衣料品は突然の雨や出張のときなどに重宝される『緊急時に買う商品』でした。そこで『これからはおむすびやコーヒーを買うように、コンビニで日常的に衣料品を買う文化を根づかせたい』というコンセプトを掲げ、『いい素材、いい技術、いいデザイン』の理念とともにブランドを立ち上げました。リオ五輪閉会式で衣装を担当するなど世界で活躍するファッションデザイナーの落合宏理さんが共感してくださり、共同開発をスタートさせました」と話すのは同社で商品開発を担当する須貝健彦さん。

 

 ファミマ店内の棚には色とりどりの「今治タオル」(600円~・税込み、以下同)、「アウターTシャツ」(1089円~)、「ボクサーパンツ」「トランクス」(ともに720円)などが整然と並べられているが目をひくのはカラフルなソックス。ラインナップは約45種類になるという。

 

 なかでも人気なのはファミマを象徴するカラーである鮮やかな青と緑があしらわれた「ラインソックス」(429円)だ。

 

「ブランドを立ち上げるときに落合さんから『このカラーは海外の方から見るとクールなんです』と提案をいただいたことと、『ブランドを象徴するアイテムを作る』ことを目標に商品化しました。するとすぐにSNSなどで話題になり、お客様が手に取ってくださるようになりました」(須貝さん)

 

ラインソックス(ファミマ服「コンビニエンスウェア」)

 

 デザインは細部にわたってこだわった。須貝さんが続ける。

 

「このラインですが、真ん中の青が緑よりわずかに太くなっています。ピッチ(太さ)はミリ単位で調整しました。なにげなく見ると『同じ太さじゃないの?』と思われるかもしれませんが、じつはこのバランスはとても大切で、実際に履いたときの “どう見えるか” にも大きく関係します。またソックスを引っ張り上げたとき、ラインの形が崩れないように縫製にも細心の計算がされております」

 

 こうして誕生したラインソックスは、発売直後からインスタグラムで「#ファミマソックス」というハッシュタグで投稿された。また、ファッションに敏感な芸能人やスポーツ選手たちが着用した写真を投稿するとさらに話題になった。

 

「映え」だけで買われているわけではない。ファミマの親会社は繊維部門に強みがある伊藤忠商事。そのため妥協のない良質な素材を使っているのだ。発売当初からのファンは「足底はパイル編みの生地でやや厚め。クッション性があって抗菌防臭加工も施されているからスポーツクラブなどでも愛用しています」と言う。

 

 その後もファミリーマートへブランド転換した「am/pm」カラー、「LGBTQへの理解者・支援者であるアライの輪を広げること、すべての人が自分らしく活躍できる社会を目指すことの応援として企画した」(須貝さん)というレインボーカラーのソックスを発売。さらに昨年7月、ネットフリックスの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とコラボレーションしたラインソックスが数量限定で発売されると、初日には商品 “到着待ち” ができるなど社会現象になった。しかし、このコラボ商品は発売までに曲折もあった。

 

「ストレンジャー・シングスというコンテンツを一部のお客様はご存じだったとしても、全国のお客様にどれだけ浸透しているのか。全国的な反響はあるのか、という意見もありました。結果、想定の10倍を超える売り上げとなりました」

 

 ソックスが注目されるコンビニエンスウェアだが、アウターウェアの評価も高い。人気の「はっ水パーカー」(3289円)に使用している素材は、海外のハイブランドにも生地を提供する小松マテーレ社の超耐久撥水素材「ダントツ撥水(R)」。その撥水性と耐久性は群を抜いていて、しかもファスナーの引き手がファミマカラーで彩られるなど、遊び心もある。

 

 昨年11月に東京都の一部店舗限定で発売された「コンビニエンスダウン」も表地の素材は同じく小松マテーレ社の「ダントツ撥水(R)」を使用。中綿は動物愛護の観点から水鳥の羽毛ではなく、伊藤忠商事のリサイクルポリエステル「RENU(R)」を使ってクラボウが開発した「AIR FLAKE(R)」を採用。軽さと保温性を実現した。手洗い洗濯もできる扱いやすさもあり、都内の約90店舗限定で取り扱われたにもかかわらず、多くの反響があった。

 

 コンビニは写写丸世代もよく利用する。出張のときだけ利用するのはもったいない。

 

「ソックス以外にもTシャツ、折りたたみ傘、リュック、レインポンチョ、子供用の靴下など多くの商品があるのでお試しいただきたいです。

 

 今後は、ファミマに行けば全身のコーディネートができるようにボトム(ズボン)や靴までラインナップするのが目標です」(須貝さん)

 

写真・福田ヨシツグ

( 週刊FLASH 2023年3月21日号 )

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