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進化し続けるコンビニおでん 「セブン-イレブン」は“出汁”、「ローソン」は“具材のこだわり”で勝負
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.02 06:00 最終更新日:2022.12.02 06:00
セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン「冬の定番グルメ」バトルが今年も開幕! 勝負のカギは滋味たっぷりの “つゆ” にアリ!
■販売開始から45年、地区別8つの “つゆ” で勝負 (セブン-イレブン)
今年で発売から45年を迎えた「伝統の味」はつねに進化をしている。つゆは地域ごとに出汁の食材を変えている。
たとえば、北海道は煮干しなどを付与したうま味、甘味が特長。「いわし焼き干し」などを付与した「コクのあるつゆ」が特長の東北・信越。鰹節と昆布出汁が利いた「基本つゆ」が際立つ首都圏。むろ節のコク、牛のうま味を付与した「甘濃いつゆ」が特長の東海。昆布のうま味と牛と鶏のうま味が特長の「甘うまいつゆ」の関西・北陸。牛と鶏のうま味が利いた「甘味のあるつゆ」が特徴の中国エリア。2種類の煮干しから出汁を取ったつゆを使う四国地方。あごのコクと椎茸、牛と鶏のうま味を付与した甘みのある味わいの九州・沖縄、といった具合だ。
また、おでん種にもさまざまな工夫がなされているという。
「『出汁を出す具材』の強化をしております。そのひとつが、食感のよいタラの比率を上げ、伝統的石臼製法で製造、遠赤外線でじっくり焼き上げた『おでん こだわり焼きちくわ』(105円)でございます」(商品担当)
練りものは「出汁の味わいを深くする」といわれるが、まさにそのとおりである。
同一の具材でも地域によって変えている。厚揚げは地域により「絹厚揚げ」か「木綿厚揚げ」にしている。こんにゃくは「白こんにゃく」を提供している地域もある。そしてちくわは「焼ちくわ」か「野焼ちくわ」と地域により変えている。
ほかにも「おでん 味しみたまご」(110円)は専用の飼料を使用したコクのある黄身が特長の卵を使用、「おでん 味しみ白滝」(105円)は複数本の白滝を1本にまとめるスリット製法で作られている。こだわりが随所に感じられるのだ。
■つゆとの相性◎ 最多29品を展開( ローソン )
コンビニおでんの販売ではやや後発になるローソンだが、気軽に複数個の購入ができる統一価格(一部除く)が「わかりやすい」と人気になっている。だが、人気の秘密はそれだけではない。同社がSDGs推進のために「ふた付き鍋」(密閉容器も可)を店舗に持参すれば、おでん5個以上の購入で39円引きになる「おでん鍋割セール」や「袋販売」などを実施しているのだ。
もちろん “お得感” だけではない。厳選された具材にも多くのこだわりがある。出汁を美味しくする「焼ちくわ」(97円)は近畿以東が「全焼き」、中四国以西では「牡丹焼き」にしているというから驚く。
「現在、エリア限定商品を含めると29品がございます。過半数の地域で展開している商品としては18品をご提供しております。
エリア限定商品につきましては関東のみの『つみれ』(97円)、北東北のみの『しみ豆腐』(120円)、関東・南東北のみの『ちくわぶ』(97円)、沖縄ではつゆによく合う『沖縄そば』(135円)などがあり、各地域のお客様の嗜好に合わせて具材を展開しております。
また白滝のこんにゃく粉や『国産もち米使用餅入巾着』(117円)のもち米は国産原料を使用、大根も一部についてはローソンファームのものを使用しております」と商品担当。こだわりが強いのだ。
ちなみにローソンの売れ筋は1位「つゆしみ大根」(97円)、2位「つゆしみたまご」(97円)、3位「国産手結び白滝」(97円)、4位「絹厚揚げ」(97円)、5位「こんにゃく」(97円)になっている。取材したのは都心のビジネス街にある店舗。オフィスに向かうサラリーマンやOLがおにぎりなどと一緒におでんを購入していた。
オフィス街で働く人たちの「朝おでん・昼おでん」としても人気になっていたのだ。