ライフ・マネー
世界最強の顔認証システムは「整形美女」も判別可能
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2017.09.07 06:00 最終更新日:2017.09.07 06:00
日本の防犯テクノロジーが世界で注目を浴びている。NECが開発した顔認証システム「ネオフェイス」が、アメリカの国立標準技術研究所のコンテストで4回連続で優勝を果たしているのだ。
顔認証システムというと、なんとなく耳にするようになったものの、馴染みが薄い。どんなものなのかNEC広報部に話を聞いてみた。
「わが社の『ネオフェイス』は、指紋などの生体認証と合わせ、現在、70カ国、700システムに採用されています。具体的には、空港での出入国時の顔認証、スタジアムやイベントでの入退場管理、国内だとユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのテーマパークでも導入されています」
人が歩いている動画で、それぞれの顔を識別できるという。ただし例外もあり、「マスクや帽子などで顔を物理的に半分以上覆っていると判別できません。そのときは、運用側が警備員などを使って、マスクなどを外すよう促す必要があります」とのこと。
この顔認証システムには、どんな防犯効果があるのか。
「犯罪者など、運用側がチェックする必要のある人物をあらかじめ登録しておき、該当人物が来たときに対応することが可能です」
顔認証の精度はどこまで高いのか。もし犯罪者が整形した場合、識別できるのか。
「たとえ整形したとしても、骨格情報などと組み合わせて判断するため、識別可能です」とのこと。ちなみに、双子の認識可否など、細かい部分の精度については、防犯上の理由から明らかにできないとのことだった。
「ネオフェイス」は、160万人のデータベースから0.3秒ほどで個人の顔を見分けることができるが、NECはさらに高速化したシステムの発売を開始した。「ネオフェイス」が、東京五輪でも活用されるのは間違いないだろう。
それにしても、ここまで精度があると、懸念されるのがテクノロジーの暴走だ。SF映画のように、無実でもひとたび犯罪者として登録されたら最後、どこにも逃げられなくなることもありえる。もし誤登録されてしまった場合、解除できるのだろうか。
「我が社はシステムのみを扱っています。解除に関しては、実際にそれを運営する側の手によります。登録された人間をどこまで、いつまで追いかけるのかも含め、運営側の基準に委ねられています」
いったん登録されてしまうと、なかなか元に戻すのは難しそうだ。運用側には、過ちがないよう十分気をつけてもらいたい。