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野口健氏も過去7回…専門家が指南する「アニサキス食中毒」徹底対策!「UVライトで目視」「冷凍は24時間以上、加熱は1分以上」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.08 19:55 最終更新日:2023.12.09 19:48
刺身や寿司で魚を生で食べる習慣をもつ日本人に多いアニサキス食中毒。アニサキスとは魚介類に寄生する線虫で、食中毒の原因となる幼虫は長さ2~3センチ、幅0.5~1ミリくらいで、白色の少し太い糸のように見える。おもな寄生先はサバで、そのほかアジやイワシ、イカ、サンマなどにも寄生する。厚生労働省によると、アニサキス食中毒はすべての食中毒の約4割を占める。
アニサキスの幼虫が胃壁に刺入することで発症し、食べてから数時間後に激しい痛みや嘔吐を伴う。腸壁に刺入したり、じんま疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を引き起こすこともある。おもな治療は、胃カメラの鉗子(かんし)で幼虫を取り出すという方法だ。
近年、被害を訴える芸能人が多く、アルピニストの野口健は12月6日、X(旧Twitter)で過去に7回発症したことを明かし、痛い思い出を綴った。
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《あの痛みはトラウマになる程、激痛で直ぐに病院に駆け込んで内視鏡でとり除ければいいのですが、夜たべて、夜中に吐いて唸って、朝から地方に移動で講演会。あの激痛の中で何度、講演をやったことか…
1番、辛かったのは、行きの飛行機の中で激痛にもがき苦しんでいる時に隣の方が「登山家の方ですよね。エベレストの話を聞かせてください!」と。脂汗をかきながらエベレストの話をしたなぁ~ きっと臨場感あったでしょうね…》
アニサキス食中毒を防ぐためにはどうすればいいか? 寄生虫学を専門とする宮崎大学医学部の田中美緒助教が解説する。
「スーパーや飲食店で提供されるものは、店舗で捌く際に目視で確認されているはずですが、リスクがゼロとは言い切れません。自分でも確認したほうがより安全ではあります。
冷凍(-20℃、24時間以上)もしくは加熱(70℃以上もしくは60℃以上で1分)されていれば、アニサキスは死滅するため感染リスクはありません。また、加熱用の商品は生でなく必ず加熱して食べてください。
自分で釣った魚は新鮮なうちに内臓を取り除き、よく洗うのが重要です。アニサキスは魚が死ぬと内臓表面から筋肉に移行するため、冷凍もしくは加熱して食べることをおすすめします。どうしても生で食べたい場合は、内臓を除去して水洗後、可食部である筋肉を目視でよく確認してください。この際、ブラックライト(UVライト)が役立つ可能性はあります」
魚以外の生肉にはどんなリスクがあるのか?
「基本的に生のものはなんらかの感染リスクがあります。レバ刺(鶏、牛)や鳥刺はトキソカラ(イヌ回虫、ネコ回虫)、淡水産のカニ(モクズガニ、サワガニ、酒や塩、味噌漬を含む)や鹿肉、猪肉は肺吸虫などです。2022年秋には、淡水魚(シラウオ、ドジョウなど)の顎口虫が話題になりました。
また、鹿や猪などのジビエも最近問題になっていて、生もしくは加熱不十分である場合は寄生虫だけでなくE型肝炎などさまざまな感染症のリスクがあります。十分に内部まで加熱して食べてください」
アニサキスについては、熊本大学産業ナノマテリアル研究所のチームが大電流で瞬殺する方法を開発した。この技術は刺身の品質も損なわないというもので、現在実用化に向け、クラウドファンディングを展開中だ。
( SmartFLASH )