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「せちがらい」新紙幣発行目前! 渋沢栄一生誕の地・深谷で聞こえてきた悲痛の声

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.20 06:00 最終更新日:2024.06.20 06:00

「せちがらい」新紙幣発行目前! 渋沢栄一生誕の地・深谷で聞こえてきた悲痛の声

新紙幣(見本)(写真・共同通信)

 

「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一が、7月から1万円札の “顔” になる。このイベントに沸くのが、渋沢の出生地・埼玉県深谷市だ。商店街には、渋沢栄一の「一万円札記念のぼり」がはためく。JR深谷駅には新紙幣発行カウントダウンのパネルが置かれ、道の駅には、お菓子からマグカップ、酒類まで渋沢栄一の顔がプリントされているのだ。

 

 このムードのかたわら、新紙幣発行を「せちがらい」と嘆く人もいる。深谷市内でガソリンスタンド、井上商事を個人経営する女性は、「亡くなった夫が、『深谷でいちばん安い店』を目指して長年経営してきた店なんです」と明るく語った。ガソリンの粗利は薄く、売上は全盛期の10分の1にまで落ち込んでいるという。そんななか、新紙幣の発行でレジを新調しなければならなくなった。こう本音を吐露した。

 

 

「新札に対応したレジは、2台中1台だけ。今回の交換では、全部で65万円かかりました。もう1台は、見積もりを取ると100万円ほどかかるようで、さまざまな補助金を使っても50万円は自腹になってしまう。結局、泣く泣くあきらめました。20年前の新札発行時は、レジメーカーが無料で交換してくれたんですが……」

 

 店主は、突然の大きな出費に胸を痛めていた。

 

「新札発行が決まって真っ先に思ったのは『お金かかるなぁ』でした。でも国の施策だし、従わないと商売が成り立たないから、従うしかないじゃないですか。ガソリンを値上げすれば、すぐにほかの店にお客さんを取られてしまいますから、価格の上乗せもできません」

 

写真・本誌写真部、共同通信

( 週刊FLASH 2024年7月2日号 )

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