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くら寿司かスシローか……本当に美味しい回転寿司はどこだ?

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2017.12.11 11:00 最終更新日:2017.12.11 11:00

くら寿司かスシローか……本当に美味しい回転寿司はどこだ?

 

 11月3日、無添くら寿司は “インスタ映えする寿司” を発売した。竹を模した容器に入った新メニューだ。

 

「くら寿司は “シャリを使わない寿司” などを常に仕掛けていて、それがヒットすれば他店が真似るという構図。今後も、くら寿司の好調は続きそうです」(回転寿司評論家・米川伸生氏)

 

 一方、最大手のあきんどスシローと、5位の元気寿司(「魚べい」など)が、統合協議を始めた。業界の激変は続く。

 

 いま、どこの回転寿司がうまいのか。本誌は、人気と実力を兼ね備えた職人たちに自らの舌で味わってもらい、分析してもらった。

 

 今回、集まってもらったのは以下の3人。江戸期から続く老舗の板前である橋本裕美さん(67)、上野の一流店のオーナー・山下栄士さん(50)、さらには秋葉原で話題の女性職人のみの寿司屋の店長、千津井由貴さん(31)だ。

 

「全部輸入の冷凍ものでしょう。比較すること自体が厳しいですよ」と気が進まない様子の山下さん。

 

 橋本さんも、「これは何? サーモンチーズマヨか……。いや、遠慮しとくよ。店長をしてた浅草の店では、折り詰にサーモンを入れることはぜったい許さなかったからね」と、編集部が買い集めた寿司を遠巻きに眺める。

 

 それでは埒が明かないと、今回は、各店の「持ち帰り寿司1人前」に共通して入る定番ネタを試食してもらうこととした。マグロ、サーモン、イカ、エビ、玉子の5品である。

 

 まずはマグロから。本格寿司ともっとも違いが出るネタだと思われがちだが、橋本さんはこう語った。

 

「私は50年近く職人をやってるけど、『マグロの赤身のうまさ』は難しいです。これがトロだと、値段によって歴然と違いが出ますけどね。赤身本来のうまさは、どのマグロでも、8割方同じじゃないか。その点、くら寿司のマグロは頭ひとつ抜け出ている。カウンターの寿司屋で出しているものに近いと思う」

 

 山下さんも慎重な面持ちで、切り身の厚さや匂いまで確認し、醬油もつけずに味わい、次はシャリを外してネタだけを味わっている。

 

「臭みがないね」

 

 苦手だというサーモンだったが、スシロー、くら寿司の試食で、考え直した様子だった。エビと玉子についてはどうだったのか。

 

「魚べいの玉子は甘くてふわふわしていてケーキみたい。一方のくら寿司はダシがきいたおつまみ系ですね。エビは、スシローが見た目、プリプリ感ともにいちばんです」(千津井さん)

 

「スシローの玉子はコクがありますね。ザラメが入ってるのかもしれません。エビは、正直あまり違いを感じない(笑)」(山下さん)

 

「スシローの玉子、機械焼きじゃないみたい。自分のところで焼いてるかもしれないね。エビはかっぱ寿司がおいしいね」(橋本さん)

 

 かっぱ寿司の評価が安定して高かったことがわかるという。前出の米川氏が語る。

 

「かつて、かっぱ寿司は低価格路線を邁進し、グルメ志向になっていた世の中のニーズを読み違えました。しかし、今のかっぱ寿司は格段においしくなっています。ただ、それが回転寿司ファンには伝わっていない。11月は全店で食べ放題を実施しましたが、来る客は “食べ放題好き” ばかりなのが現状です」

 

 客の奪い合いは熾烈さを増すばかりだ。

 

橋本裕美さん
 現存する最古の江戸前寿司店、銀座すし栄で腕を振るう職人歴50年近い大ベテラン。息子2人も寿司職人

 

山下栄士さん
 20代で独立。寿司激戦区の上野で、高級店として知られる英多郎寿司を一代で築く。某社のCMでも腕前を披露している

 

千津井由貴さん
 女子美大卒。2010年開業のなでしこ寿司店長。たしかな技術と知識で、メディア出演も多い

 

(週刊FLASH 2017年11月21日号)

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