ロピアはカツ丼界の“黒船”だ

カツ丼が嬉しい食べ物であることに変わりはない
■カツ丼は「庶民にいちばん親しみ深い肉料理」だ
イトーヨーカドーにおいても、カツ丼は売場でそこまで目立つ存在ではなく、パッケージも地味めであった。しかしこちらは599円という値段設定もあり、尖ったところのない優等生的なバランスのよさで、上品な仕上がりになっていた。このあたり、安売りには与しないぞ、他社の追従はしないぞ、という態度の表われなのかもしれない。
しかし、カツ丼を推すにせよ推さないにせよ、カツ丼が弁当売場に存在しないということはあり得ない。諸兄が近所のスーパーで弁当売場を見たとき、カツ丼がなかったとすれば、それはただ単に売り切れているだけに違いない。ハンバーグ弁当らと同じく弁当売場の顔であり、なんならもっとも目立っている商品である。そうだとすれば、スーパーのカツ丼は庶民にいちばん親しみ深い肉料理だとも言えるのではないだろうか。
いつの時代も、美味い肉こそ庶民のなによりのごちそうだ。幼少期の我々がとんかつやカツ丼が食卓に上がったとき、その肉の分厚さに嬉しく思ったのが、その証拠だ。
すっかりオジサンとなった今となっても、我々はカツ丼を、出汁のしみたご飯と一緒に、かっこむように食べている。かつては店屋物だったり外食だったり母の手作りだったりしたが、それがスーパーのカツ丼であってもやっぱり嬉しい食べ物であることに変わりはないし、そのカツ丼を無心でかっこんだときの満足感も、なんの変わりもないのである。
※価格はすべて税抜きで、2026年4~6月、本誌が購入した店舗のもの
取材/文・かつとんたろう
1983年生まれ、神奈川県出身 とんかつ研究家、ライター。中年になり、とんかつ仕事で太らないよう必死のダイエット中
写真・木村哲夫
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