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1日200人超が亡くなる「東京23区」公営火葬場は2カ所のみ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.06.04 11:00 最終更新日:2018.06.04 11:00
東京都福祉保健局の統計によれば、東京23区では、年間8万人弱が亡くなっている。じつに1日200人超。
「東京23区の火葬場9カ所のうち2カ所が公営で、それ以外は民営ですが、これは特殊で珍しい。全国的にみると公営が多く、火葬料は無料だったり、1万円程度なんです。税金で補填しているんですね」(一般社団法人・火葬研の武田至会長)
公営が少ないのには、その歴史が影響していた。武田氏が続ける。
「桐ケ谷、落合、代々幡は江戸時代から今の場所にありました。明治20年(1887年)に、日暮里に火葬場が建設され、これを木村荘平氏が東京博善という会社を作って運営しました。経営が苦しくなっていった火葬場を東京博善さんが買収していったのです」
現在、同社は6斎場を経営しているが、いずれも式場や遺体安置所なども備えた近代的な総合斎場となっている。
興味深いのは、民間経営の火葬料には3段階があること。これはホール内の火葬炉の数の違いだ。多くの火葬炉が並ぶホールでは、当然、ほかの会葬者と出会う可能性が高い。
「ゆったりとお別れができるところは高く、せわしないところは安い、というランク分けは、火葬が再開された明治8年のときからありました」と言う武田氏は、長年にわたって火葬に関わってきた。
「自然の景色が見える火葬場が僕は好きです。お別れをせわしない場所でするのではなく、ゆったりと外の景色を見ながら……。日本では効率や安価さが重視されがちですが、一度しかないことをどういう場所でするのかは、とても重要だと思います」
(週刊FLASH 2018年5月1日号)