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【目指せ不思議スポット】琵琶湖に浮かぶ神秘の島

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.08.16 06:00 最終更新日:2018.08.16 06:00

【目指せ不思議スポット】琵琶湖に浮かぶ神秘の島

竹生島

 

 日本最大の湖、琵琶湖に浮かぶ竹生島は、古来より “神の棲む島” として信仰されてきた島である。

 

 そもそも淡水の中にある離島というのが物珍しいが、昔の人は海だと思っていたと伝えられる琵琶湖のスケール感を見ていると、そんな違和感もどこかへ消し飛んでしまう。

 

 

 JR北陸本線・長浜駅から徒歩10分、長浜港からおよそ30分の船旅。湖岸から6キロの位置にある竹生島の歴史は古く、奈良時代に行基上人が四天王像を安置したことが信仰の始まりとされている。

 

 戦国時代には数々の武将の信仰を集めた歴史があり、安土桃山時代の文化財が多数残されているのも特徴だ。たとえば国宝・唐門は、秀吉を祀る京都東山の豊国廟に建っていた極楽門を、豊臣秀頼の命によって移築したもの。

 

 また、千手観世音菩薩を納めた観音堂、同じく観音堂から都久夫須麻神社へ続く船廊下、地・水・火・風・空の五大をかたどった五重石塔といった重要文化財も大きな見どころだ。

 

 島内には西国三十三所札所めぐり第三十番札所、宝厳寺が置かれ、島のほぼ全体がその寺域となっているほか、明治時代にその宝厳寺から分かれてできた、都久夫須麻神社(通称・竹生島神社)も存在感を放っている。

 

 社伝によれば、都久夫須麻神社の創建は雄略天皇3年(459)であるというから、古墳時代にまで遡ることになる。

 

 都久夫須麻神社では、名前と願いを書いた皿を、絶景の中に紛れる鳥居に向かって投げる「かわら投げ」も有名だ。諸願成就のおまじないのようなものか。

 

 道すがら、さり気なく湧出している瑞祥水は、かつて島が水不足に苛まれた際、本尊の託宣によって堀りあてられた霊泉で、信仰対象の島として長い年月をかけて育まれてきた島であることが、随所で実感できる。

 

 実は、竹生島の周辺では、葛籠尾崎湖底遺跡という謎の遺跡が発見されている。これは1924年に地元の漁師がたまたま複数の縄文式土器を引き揚げたことから、世に知られるようになった遺跡である。

 

 琵琶湖の底には複数の遺跡が確認されているが、いずれもかつて陸にあったものが水位の変化によって沈んだものと思われるのに対し、数キロの範囲に及ぶこの葛籠尾崎湖底遺跡については、なぜ湖底に沈んでいるのか今も解明されていない。

 

 これまでに引き揚げられた遺物は、最古の物でおよそ7000年前の土器で、土中に埋まることなく、露出したまま今日までひっそりと湖底に沈んでいたもの。こうした湖底遺跡は世界でも例がなく、地質や環境面の条件がよほど理想的に整っていたからこその、貴重な遺跡とされている。

 

 なぜ、竹生島が古くから霊場とされるようになったのかは不明だが、もしかすると縄文時代から人が行き来し、神を祀る聖なる場所として大切にされてきたのかもしれない。葛籠尾崎湖底遺跡はそうした可能性を今日に伝えている。

 

 

 以上、友清哲氏の新刊『消えた日本史の謎』(知恵の森文庫)から再構成しました。謎の構造物、おかしな物体、奇妙な伝承、未解明のパワースポット…不思議をめぐる旅の記録です。

 

●『消えた日本史の謎』詳細はこちら
https://honsuki.jp/stand/5050.html

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