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人間ドック「本当に必要なオプション」はこの5つだけ!

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.08 11:00 最終更新日:2018.10.08 11:00

人間ドック「本当に必要なオプション」はこの5つだけ!

 

 男も50歳前後となれば、体のあちこちにガタがくるのは仕方がない。年に1回、会社の健康診断を受けていることで、かろうじて自分を納得させているーー。そんな読者も多いのではないだろうか。

 

 だが、通常の健康診断では見つからない病気もたくさんあるという。寺田病院(東京都足立区)の寺田俊明院長が解説する。

 

 

「健康診断ではX線(レントゲン)検査をしますが、この検査では、早期の肺ガンはほとんど発見できません。怖いのは、検査で異常がなかったと安心しているうちに、ガンがどんどん進行してしまう可能性があるということです。こういうケースは、けっして珍しくはありません」

 

 そういった健康診断での見落としを防ぐために有効なのが、人間ドックだ。「50歳になったら、まず人間ドック健診を受けなさい」とすすめるのは、予防医学の専門家でもある、足利大学看護学部長の山門實氏だ。

 

「人間ドックで、健康診断では発見しにくい病気がわかります。また、現時点で病気がなくても、将来の病気の可能性を予知でき、それにより、予防ができるのです。その意味で、人間ドックは『先制医療』と呼ばれます」

 

 そもそも人間ドックは、健康診断とはどこが違うのか。

 

「人間ドックも健康診断の一種ですが、労働安全衛生法などの法律によって義務づけられている健康診断とは異なり、希望者が任意で受けるものです。そのため、費用はかかりますが、通常の健康診断よりも詳細に体の様子をチェックしてくれます」(山門氏)

 

 また、各地方自治体は健康増進法に基づき、特定の病気を発見するための「検診(ガン検診など)」をおこなっている。人間ドックのなかにも、「任意型検診」と呼ばれる、ガンにかかっているかどうかを調べる必要がある。

 

 通常の健康診断でわかるのは、血圧や血糖値、肝機能に関する数値など。また自治体の検診は、たとえば胃の場合はX線撮影による検査が中心だ。ガンを高い確率で発見するためには、内視鏡などの専門的な検査が必要になってくる。そこで登場するのが人間ドックだ。

 

 人間ドックには基本検査とオプション検査があるが、基本検査の項目は健康診断とそれほど差はなく、費用も3万〜4万円の範囲内だ。

 

 重要なのが、オプション検査だ。さまざまなメニューから選ぶことになるが、かかる費用も医療機関によってさまざま。オプションをすべて選ぶと、30万円を超えるようなケースもある。

 

 どんな人間ドックを選んだらいいのか、山門氏に聞いた。

 

「人間ドックは検査をするだけではなく、医師による診察と結果説明が基本項目に含まれています。同時に、必要なら生活習慣の改善などを指導されます。じつは、そこがいちばん重要なんです」

 

 ただ検査するのではなく、その結果を踏まえて的確なアドバイスをしてくれる医師のいる医療機関を選ぼう。

 

 では、初めて人間ドックに臨む場合、本当に必要なオプション検査はなんなのか? 前出の寺田院長は、まず胃カメラ・大腸カメラの有効性を強調する。

 

「50歳前後になると、ガンの発症リスクが高まります。胃、大腸などの消化器系に関しては、臨床経験から、内視鏡で直接、見るのがいちばん発見しやすいと思います。

 

 胃ガンも大腸ガンも、早期発見すれば治る“やさしいガン”といえます。45歳を過ぎて、胃カメラや大腸カメラの検査を受けたことがない人は、経験したほうがいいと思いますね」

 

 口から入れるため、苦しそうなイメージのある胃カメラだが、鼻から挿入するタイプが登場し、苦痛は緩和されている。また、最近では麻酔で眠っている間にカメラを挿入する方法もある。

 

 ガンは消化器系だけではない。ガンの部位別死亡数のなかで、日本人男性においてトップとなっているのは、肺ガンだ。とくに長期にわたってタバコを吸っている人は、胸部CTなどで肺ガンについて検査をしておくべきだと寺田院長は言う。

 

 CTは体にX線を照射し、コンピュータで解析して体の断面図を画像化する装置。画像は精密で、血管の細部まで立体的に見ることができる。

 

「通常のレントゲン撮影では、肺の血管、気管支、心臓などの後ろにある微細な腫瘍は見落としてしまいます。しかし、胸部CT検査なら精密な検査が可能です」

 

 そして、50歳を迎えた男性ならもうひとつ、考えておきたいガンがある。それは前立腺ガンだ。食生活の欧米化とともに増加傾向にあり、2020年には、その患者数は胃ガンを抜いて、肺ガンに次ぐ2番めになるとの予測もある。「PSA」と呼ばれる検査は、ガン細胞によって生み出される特定物質(腫瘍マーカー)の有無から、前立腺ガンを判定するものだ。

 

「幸い、前立腺ガンは早期発見もしやすく、死亡率も低いガンです。しかし将来的な生活の質を保つためにも、50歳になったら必ず検査しなければならないガンだといえます」(山門氏)

 

 ガンのほか、50歳になったら「老化」についてのリスクも考えなければいけないと、山門氏は語る。

 

「将来、寝たきりにならないよう今から予防しておくべきです。そのために必要なのは、脳の血管の状態について確認することです。脳卒中で倒れれば、そのまま後遺症が残る可能性があります。検査の際、画像が頭蓋骨の影響を受けにくいMRIが、いちばん正確に診断できます」

 

 MRIは磁気共鳴という物理現象を利用し、体の断面を画像化して、病変を発見する。X線を使用するCTに比べて放射線被曝の心配がなく、脳など水分の多い組織では、より精密な画像を見ることができるメリットがある。

 

「また、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる動脈硬化については、頸動脈の超音波検査で、治療すべきかどうか簡単に診断できます」(山門氏)

 

 もうひとつ、寝たきりを予防するための重要な検査が、骨密度。骨折などにつながる骨粗鬆症は、男性より女性のほうが多いとされるが、骨折した後の死亡リスクや生活障がいの度合いは、男性のほうが高いとの報告がある。

 

「中高年以上は、年1回の骨密度検査が望ましいでしょう」(山門氏)

 

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