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自衛隊パイロットの競争率は100倍超!現役女性は50人以下
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.14 06:00 最終更新日:2018.10.14 06:00
自衛隊発足から65年め、初の女性戦闘機乗りが誕生した。航空自衛隊の松島美紗2等空尉(26)だ。彼女が操るのは、F-15J戦闘機。「映画『トップガン』に憧れ、夢がかなった」と明かしている。次はスクランブル発進の資格取得を目指す。
「自衛隊は女性も活躍できる制度や配慮がされている。やる気さえあれば、女のコにもトライしてほしい」と語るのは原口小百合1等海尉(36)だ。対潜哨戒ヘリSH‒60Kの操縦士である。現在は子育てのため、宮崎地方協力本部・日南地域事務所所長として、地上勤務中。
現在約23万人いる自衛官のうち、女性の比率は約6%にすぎない。女性パイロットの人数は「戦略上秘密」(陸自広報)だが、「陸海空3自衛隊で、現役女性パイロットは50人に満たない」(空自幹部)のが実情だ。
「パイロットの競争率は100倍超。身長は158センチ〜190センチ、中距離裸眼視力は0.2以上と規定が細かく決まっています」(ジャーナリスト・伊藤明弘氏)
そんな狭き門を突破する女性自衛官が登場したのは1990年代後半以降。2015年に任務の範囲が広がり、戦闘機や輸送機などを操縦し、偵察や輸送、救難などで幅広く活動する。
「女性パイロットは、技術的にもっとも脂がのる時期に結婚、出産、育児が重なり、能力を発揮しにくいというジレンマを抱えることがある」(空自男性パイロット)
だが、もちろん、結婚して出産後もママさんパイロットとして活躍する女性がいる。今日も彼女たちは、日本と家族を護っている――。
【空自】樋口美登里(40代) 2等空佐
小牧基地第1輸送航空隊所属で、C‒130H輸送機パイロット。2002年に女性自衛官として初めて東ティモールでのPKOに参加した。
【空自】壹岐香里(40代) 2等空佐
小牧基地第1輸送航空隊第404飛行隊長。インドネシアでの救援活動やハイチの復興支援など海外任務の実績も豊富。
【空自】逢坂麗(40代) 3等空佐
空自航空学生で、初の女性パイロットとして隊内で知られる先駆者の一人。現在は、飛行点検隊所属だ。
【陸自】半浴仁美(43) 3等陸佐
明野駐屯地の航空学校教育支援飛行隊所属。陸自初の対戦車ヘリ・AH-1S「コブラ」の女性パイロットだ。男児2人の母でもある。
【陸自】小野由美子(36) 2等陸尉
木更津駐屯地の第1ヘリコプター団連絡偵察飛行隊所属だが、陸自初の女性固定翼機パイロットを目指し、明野駐屯地航空学校で勉強中だ。
【海自】青山展子(30代) 2等海尉
厚木基地所属。P‒3C機長からP‒1パイロットに。2014年の「ミス海自」に選ばれ、写真集やDVDなどにも登場。過去の取材で、仕事でいちばん楽しかったことを聞かれ、「某国の潜水艦を発見したとき」と話していた。結婚し、現在は産休中だ。
写真・陸自、海自、空自
(週刊FLASH 2018年9月18日号)