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注射1回60万円から薬まで、4つの「ハゲ治療」徹底比較
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.24 16:00 最終更新日:2018.10.24 16:00
中年男性の大きな悩み、薄毛。原因は「AGA(男性型脱毛症)」だと聞くが、なかなか治療には踏み出せない。本誌では2号にわたり、2つの最新の薄毛治療を報じた。
まずは、治療の「手軽さ」が格段に上がった遠隔の薬治療だ。医療の規制緩和が進んだことで、LINEで診察を受け、処方薬を宅配してもらう治療が実現した。
東京・渋谷でオンライン診療を行う「髪のクリニックSeed」の吉田靖志院長が治療の方法を語った。
「薬には、抜け毛を抑える効果のある『フィナステリド』『デュタステリド』、発毛を促進する『ミノキシジル』があります。目標と状態により、患者さんと相談して処方を決めます。
薬ですから副作用はありますが、経過を見つつ薬を止めたり変えたりしていきます。ただ、すべてやめてしまうと元の脱毛状態に戻る可能性もあります。
通院できない方や時間がない方、遠方の方は時間予約だけをしていただき、テレビ電話機能で診察します」
初診料が3000円、以後は薬とオリジナルのサプリとシャンプー代のみ。本誌が取材した治療者によれば、2回目以降は月々およそ2万1000円~2万2000円ほどのランニングコストとのことだった。
もちろん効果は人によって異なるが、およそ1カ月ほどで効果を実感し始め、5カ月後には「フサフサ」と呼べる状態になった人も。
さらに、薬が効かない人や、早く生やしたい人には、「発毛ペプチド」を注入する治療もある。
「頭皮を活性化してくれる成分を、頭皮に針で打ち込みます。こちらは通院の方限定。治療費は1回5万円(税別)で、1クール4回で19万円。
薬が効かない人でも、半分以上は反応が出ます。薬と併用して、効果が出たら飲み薬だけにすることもあります」(吉田院長)
薬との併用治療を受けている髙田義人さん(仮名)が「効果はあった」と喜びを語る。
「AGA治療に懐疑的でしたので、早めに効果を実感したくて、飲み薬と頭皮への注射を併用しています。3カ月たって、額が狭くなって。コストは月8万6000円ほどですが、満足しています」
最新薄毛治療のもう一つは、「再生医療」だ。東京・青山で厚生労働省が認めた唯一の「脂肪幹細胞」による薄毛治療をおこなう、「アヴェニューセルクリニック」の辻晋作医師が語った。
「患者さまの脂肪から幹細胞を抽出し、3週間から4週間かけて培養して増やして、専用のマシンで頭部1000カ所に注入します。針の抜き刺しのスピードが速いのでさほど痛くありません。
自己細胞による再生医療ですので、副作用は出ません。アスリートが関節に採り入れている治療方法です。
また、個人の感覚ですから満足度に差はありますが、なんらかの発毛効果はあります。さらに、この治療は頭皮の力をベースアップしますので、脱毛状態に戻りにくいメリットがあります」
気になる費用は税別で、1回目の治療が60万円、2回目から4回目まで各30万円と高額だ(なお、5回目はまた最初からスタートとなる)。副作用のない再生医療を試したいが、初期費用に手が届かない、という人には別の治療もある。
「田中将大さんが肘の治療に採り入れた、PRP治療(多血しょう板血しょう)療法とい手段があります。濃縮した血小板を抽出して注入する治療法で、税別で20万円です。
脂肪幹細胞治療と違って、培養期間が短いため、初診日に治療までおこなえます。ただし、PRP療法では、カバーできる範囲が狭いため、処置回数がかさみます。
PRP療法では、一度若返らせたものが、半年から1年すると、またもとに戻ってしまいます」(辻医師)
ポイントは「費用」と「副作用」。初期費用を安くすませるか、コストをかけても副作用がないほうを選ぶか。いずれにしても、ハゲたからと諦めてしまうのは早計かもしれない。
※文中の表は吉田院長と辻医師への取材をもとに本誌で作成。すべての治療の効果には個人差があります