駅近もみほぐし店に潜入取材「ビーラボ」30点満点で21点

　師走の忙しさに体が悲鳴を上げている。駅前で気軽に肩こり解消といきたいが、いったいどこがうまいのか？　あん摩マッサージ指圧師のつぼいあつし氏（仮名）が、有名チェーンに片っ端から潜入して、実地体験してみた！

　鳴り響くアジアンテイストの音楽。キツめのレモンバーム（精油の一種）の香り。白い布で仕切られた施術室。そして私は、着替えにと渡されたタイパンツがうまく穿けず、とまどっていた。

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　ここはタイ古式マッサージを売り物に、都内を中心に店舗ある「ビーラボ」である。

　施術者は40代くらいの銀縁メガネをかけた男性だ。どことなく神経質そうな印象である。「肩と腰が疲れている」と伝えると、ほとんど会話をせずに施術に入った。

　まずは私があおむけになり、ふくらはぎの内側を両方一気に押してゆく。正直、そこそこ痛いのだが、まずは様子見と思い、耐えてみる。

　続いて、施術者はかなりの力をこめて鼠径部を圧迫し、そのまま、しばし離さない。これは何……？　と思っていると、施術者が鼠径部から一気に手を離した。その瞬間、鼠径部から下半身にサーッと駆け抜けるような感覚が生じる。

　なるほど。施術者は鼠径部にある太い血管の流れを一時的に止めて、一気に解放したのである。血流改善効果が見込めるだろう。タイ古式のテクニックなのだろうか、珍しい手技を体験できて嬉しい。

　その後は横向きにされ、太腿の内側や、腰を押されてゆく。施術者の体重がきちんと手に乗っていて、なかなか気持ちいい。ここはベッドを使わずに、床の上にマットレスが直接敷いてある。このほうが、ベッドよりも施術者は体重をかけやすいのだ。

　その後は背骨を細かく左右に揺らしたり、手足にストレッチをかけたりしたが、どれも的確に体を操作していると感じた。

　これで60分4280円（税込み）。う～ん。タイ古式、侮れない！　日ごろの施術に疲れたらまた来たい。惜しいのは施術が「足と腰」に集中していて「首と肩」が甘かったことだ。タイ人って、肩が全然こらない国民性とか？　そんなわけないよな。

●総合得点21点（30点満点）
　衛生度4
　入りやすさ3
　パワー4
　テクニック5
　要望を聞いてくれる2
　値段3

●取材、文、イラスト／つぼいあつし
　40代。会社員を経て20代でマッサージ師に。現在、都内でマッサージ店を開業している。最近、筋トレとロードバイクにハマっている

（週刊FLASH　2018年11月27日号）