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【食堂のおばちゃんの人生相談】40歳・NPO職員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.14 11:00 最終更新日:2018.12.14 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

『お悩み/千里さん(40)NPO職員

 

「読書の秋」で大量に本を買ったのですが、ほとんど読めず冬になってしまいました。まとめ買いすれば「もったいない」と思って読む気が出ると思ったのに。本をたくさん読むコツってあるのでしょうか?

 


【山口先生のお答え】

 

 本を大量に読むコツは2つ。1つは「必要に迫られる」、もう1つは「他にすることがない」です。

 

 角川春樹さんは「私が人生で一番熱心に読書したのは、千葉の拘置所に居た1年3カ月だ」と仰っています(関係ないけど、角川さんのスピーチは必ず「刑務所ネタ」が入るので非常に面白いです)。

 

 私の場合、個人的な楽しみで読む本と小説の資料として読む本があります。資料でも興味をそそられる本は良いのですが、まるで面白くない本を読むのは結構苦痛です。まあ、資料を読むのは仕事なので、仕方ないですが。

 

 さて、刑務所に入る予定がない場合、入院するとか僻地に左遷されるとか引っ越して長距離通勤するとか、「他にすることがない」時間を作ると、読書がはかどるでしょう。

 

 でも千里さん、そんなに大量に本を読む必要はないんじゃないでしょうか。それより、1冊の本を深く味わって読んだ方が、心豊かになれると思うんですけど。

 

 すぐに読まれてすぐに忘れられる本は可哀想です。小説家は多分みんな、じっくり読まれて、いつまでも読み手の心に残るような作品を書きたいと願っています。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『婚活食堂』が発売中

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