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飲み会に気をつけろ「カラオケ」は風邪ウイルスの巣窟だ!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.01.10 20:00 最終更新日:2019.01.10 20:00
年末年始は楽しみなイベントが目白押しだ。そんなときに限って、体調に異変が起こるのはなぜなのか。1年の疲れや、寒暖差、夜晩くまでの飲食により、免疫力が低下していることも大きな原因ではある。
しかしじつは、日常のふとした行動にも、その体調不良の原因が潜んでいる。『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』の著者であり、病理専門医の資格を持つ、医療機関再生コンサルタントの裴英洙氏が、「忘年会」に潜む風邪ウイルスの魔の手を警告する。
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「みなさんが飲み会で2次会以降によく行かれる『カラオケ』。はっきり言って最悪です。大人数で、距離が近くて、狭いうえに、大声で叫ぶように熱唱されますので、体内からウイルスが勢いよく飛び出ます。『一発免停』ですよ(笑)。
インフルエンザもふくめて、風邪には2種類の感染経路があります。1つは飛沫感染といって、『つば』が空気中に飛び、それをほかの人が吸い込むことでうつるものです。
カラオケでいえば、問題はマイク。初めこそ抗菌済みですが、歌い始めて使いまわしたら、だれの風邪ウイルスの飛沫がたくさん付着します。マイク自体が『ウイルスの塊』になるんです。
そしてもう1つの感染経路が、接触感染です。風邪ウイルスを持っている人に触っただけでうつるというわけではありませんが、自分の体、とくにウイルスがうつった手で自分の鼻や口にある粘膜に触れてしまうことで風邪を引いてしまうのです。
カラオケは、暗いことも大きな問題です。場が盛り上がってきますと、飲み物やおしぼりのどれが自分のものか、すぐわからなくなりますよね。グラスやおしぼりで接触の感染が危ぶまれるのです」
さらに、ビル1棟や数フロアにまたがるカラオケBOXの場合は、そんなウイルスだらけの部屋がたくさんある。100人単位の人が、同じトイレを、おおよそ酒を飲んでいるから高頻度で利用する。
「便座の上げ下げ、水栓ボタン、蛇口。たくさんの接触感染経路があります。用を足した後は、酔っていても、『接触感染を防ぐため』と考えて、手洗いを徹底したいですね。
ただ、きちんと手を洗った後も要注意です。手を乾かすときに『送風タオル』を使っていませんか?
手を濡らしただけのような雑な洗い方の人が、あなたの前に使っていたら……おわかりですよね。ウイルスが送風トレイのなか、噴出孔や壁面に撒き散らされている危険性が大きいのです。
加えて、ウイルスに対する意識が高い方でも失敗しがちなのが、アルコール消毒です。アルコールは、乾くときに揮発して消毒力を発揮しますので、濡れ手につけてもほとんど意味がありません」
手はきちんとよく洗って、自分のハンカチで拭いて乾かし、それからアルコール消毒が原則だ。最後に、出るときも注意が必要だと裴氏はいう。
「ドアです。もうここまでくると、潔癖症のようですが(笑)、酔っているからこそ、手を洗わないで出られる方も、たくさんいらっしゃるのです。
ドアの取っ手は『持たずに指で』開けましょう。回すタイプのものは……ハンカチや手拭きペーパーをかぶせて開けたいくらいです。
さらに、そうしたウイルスへの接触が防ぎきれないとき、指で鼻をほじらないでください。爪の間には、ウイルスや雑菌がウヨウヨしています。鼻の内側の粘膜は、指でこすると粘膜が傷つきやすくなり、爪のウイルスで『自爆』してしまいますよ」
裴 英洙(はいえいしゅ)
1972年生まれ 医師にして医療機関再生コンサルタント。金沢大学医学部卒業後、医師として勤務。その後、同校大学院医学研究科を修了し、病理専門医(=病気の原因を究明する医師)に。さらに、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を修了し、医療機関への経営支援などをおこなう。医療に関する著書も多数
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