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出産祝い金ほか「ソフトバンク社員」を支える柔組織と高待遇

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.04 16:00 最終更新日:2019.02.04 16:00

出産祝い金ほか「ソフトバンク社員」を支える柔組織と高待遇

 

「既成概念の破壊者」とまで呼ばれる孫正義氏が作った、ソフトバンクグループ(SBG)。これまで「常識」とされてきた日本型雇用スタイルを覆し、いまでは当たり前になりつつある組織のシステムを、いち早く取り入れていた。

 

 SBGは「ダイバーシティの推進」を掲げ、性別、年齢、国籍などにかかわらず、多様な人材が個性や能力を発揮できる機会と環境の整備を進めている。最近では、LGBTの人々への職場での取り組みについて、高い評価を受けている。

 

 

 またユニークなのが、2007年に導入した高額の出産祝い金制度だ。第1子が生まれたら5万円、第2子で10万円、第3子で100万円、第4子で300万円、第5子以降は500万円が支給される。

 

「社員の平均年齢が女性約30歳、男性約35歳と、結婚・出産の適齢期。『日本一の少子化対策企業を目指そう』という孫社長の発案で具体化されたものです」(人事ジャーナリスト・溝上憲文氏)

 

 かつて、インド出身のニケシュ・アローラ氏が「後継者」に指名されたこともある。

 

「買収により会社が国際化すれば、人事も国際化するのは当然です」(元幹部社員)

 

 ただ、アローラ氏は、2014年にSBG副社長に迎えられてからわずか2年足らずで退任した。

 

「ダイバーシティ企業」であるSBGは、評価制度もユニークである。2005年に「ミッショングレード制度」と呼ばれる役割給制度を導入。従来の属人手当や役職手当は廃止された。管理職の等級は、「M-4(課長相当)」「M-5(部長相当)」「M-6(本部長相当)」の3つ。

 

 従来の日本企業では、いったん課長や部長の職に就いたら、よほどのミスでもしない限り、降格されることはない。だが、ソフトバンクではM-4の課長職に本部長の実力があると見なされれば、M-6に昇格し、給料も上がる。そして、その逆も普通におこなわれる。

 

 そんな評価制度のなか、意欲ある社員は、自らキャリアアップにチャレンジできる。それが「フリーエージェント制度」だ。そして、新規事業や新会社の立ち上げの際、メンバーを公募する制度もあり、「ジョブポスティング制度」という。

 

 両制度とも、応募に際して所属部門の上長の承認を得る必要はない。2015年度から導入され、それぞれ400人以上が実際に希望部署へ異動しているという。

 

 2017年11月からは、社外活動で得た知見とこれまでの経験を組み合わせ、イノベーションの創出につなげることを目的に、「副業」も認められている。

 

 こうして組織体制においても最先端をいくSBG。近年は働き方改革を率先して実践している。しかしかつては、長時間労働もいとわずという雰囲気だったというSBG。

 

「会議が終わるのが午前0時。新規事業立ち上げともなると、試行錯誤の連続で2、3日は徹夜が続いたものです」(ベテラン社員)

 

 だが、10年ほど前から、労働時間に対する考え方が180度方向転換したという。

 

「毎週、本部長会議で、部門ごとの平均残業時間と、最高残業時間を報告させられます。基本的に残業は月40時間までで、それを超えるとニラまれます」(元幹部社員)

 

 加えて、配偶者出産休暇、ボランティア活動休暇など休暇も充実している。


(週刊FLASH 2019年2月12日号)

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