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相続トラブルなぜ起きる「長男VS.長女」親の家督意識に注意
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.15 16:00 最終更新日:2019.02.16 11:12
少子高齢化や核家族化が進む現代では、遺産をめぐる争いの数は確実に増えている。一般家庭で実際に起こった「争族」を例に、相続問題の防ぎ方・解決方法を学ぶ。
「長男VS.それ以外の兄弟で揉めるパターンが多い」と話すのは、相続問題に詳しい弁護士の木野綾子氏だ。以下の例では、家督を継ぐ長男と、長女が争った。
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結婚して家族を持った長女が、父親が亡くなり、独りになった母親と実家で同居していた。
ところが、母親が死去した後に、「すべてを長男に贈与する」という遺言を残していたことが発覚。長男に「家から出ていってくれ」と告げられた長女は、家を追い出されることに。次女とともにわずかな遺産しか受け取れなくなった。
「いま亡くなられる親世代は、『家督相続』の世代。相続人である子ども世代は、平等相続教育を受けてきた世代。だから亡くなる親は、代々受け継いできた土地や建物は長男に譲ろうとする。どうしても家督相続を考えます。
極端なことを言うと、まったく親の面倒を見ていなかった長男に譲ってしまう。でも、受け取れないほうは『なんでお兄ちゃんだけ?』と思います。だから、長男とそのほかの兄弟が対立する事例が多いんです」(木野弁護士・以下同)
相続に対する認識の世代間ギャップが、揉め事を生んでいるというわけだ。
「もうひとつ、お子さんは親に遠慮してしまう。紹介した実例でも、娘さんは薄々お兄ちゃんに譲るのではないかと気づいていても、『私に』とは言えなかった。だから、親が亡くなった後に溜まっていたマグマが爆発するんです」
話しづらくても、親が元気なうちに相続の相談をしておくことが重要なのだ。
(週刊FLASH 2019年2月19日号)