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旨さに思わず感嘆符「駅ラーメン」東京・西新井ラーメン
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.15 16:00 最終更新日:2019.02.15 16:00
駅で手軽に食べられる「駅ラーメン」は、意外にも本格派揃い。 そこには、「ガッツリ系」がつらくなってきた中年男性にとって、シンプルで食べ疲れない一杯がある。駅そばの地位を脅かす、侮りがたき「駅ラー」の魅力を、B級グルメ研究家の鈴木弘毅が語り尽くす!
「今、『駅ラーメン』がアツい。『駅そば研究家』として日々探究するなかで、近年、メニューにラーメンを取り入れる店が増えていると実感する。鉄道系列会社が運営するラーメン専門店も増えているのだ。
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しかし、たんに駅ナカにラーメン店があるだけでは、駅ラーメンとは呼べない。駅そばと同様に、『大衆に、地域に、そして鉄道に寄り添うものでなければならない』と考えている。
もっとも駅ラーメンの呼称がふさわしい店は、東武スカイツリーライン西新井駅のホームにある。1968年創業の『西新井らーめん』だ。
ホーム上の島式店舗で、客席は厨房を囲む吹きさらしの立ち食いカウンターのみ。モウモウと湯気が立ち込める中に、常に黒山の人だかりができている人気店だ。
鶏のコクと野菜の旨味で満たされた醬油スープは、ひと口で満足させるのではなく、全部食べ終えたところで『あ~、うまかった』とひと息つきたくなる。やさしく懐かしい味わいだ。
オーナーの中村一彦さんは、『父が創業してから50年間、味を変えず、店内で毎日スープを作っています。化学調味料は使いません』と話す。
そして、『食券制の飲食店は、ウチが最初だと思います』と続ける。鉄道利用者が急増した1960年代に、切符の販売が、有人窓口から自動販売機に転換されていった。この切符販売機を、飲食店に応用できないかと考えたのだ」
【SHOP DATA/西新井らーめん(東京)】
●ラーメン:500円(税込み)
「ワンタンメンも人気があるが、まずはベーシックなラーメンから押さえたい。鶏のコクと野菜の旨味が折り重なり、奥深い味わいを楽しめる」
アクセス:東武スカイツリーライン「西新井駅」3、4番線ホーム
取材&文&写真・鈴木弘毅
すずきひろき
1973年生まれ 埼玉県出身 駅そば、道の駅、スーパー、日帰り温泉など、旅にまつわるさまざまなB級要素を研究。なかでも、訪れた駅そば店は3000軒以上
(週刊FLASH 2019年2月19日号)