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手動みじん切り器に満足「吉田戦車」丸洗い禁止は無視!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.20 11:00 最終更新日:2019.03.20 11:00
「みじん切り」という言葉より先に、私が耳にした「微塵」は、マンガやテレビで使われる「木っ端みじん」であっただろう。
力が強そうな敵が「木っ端みじんにしてくれるわ!」などと言っていた。
料理番組や母親の料理本で、比較的早く「みじん切り」という言葉も覚えたような気がするが、実際に自分で初めて野菜をみじん切りにしたのは、いったいいつだったのだろう。
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小中高とよく作っていたインスタントラーメン程度だと、みじん切りの出番はなかった。上京して一人暮らしを始め、焼き飯用にタマネギをきざんだのが「人生初みじん切り」だった可能性は高い。
その後の自炊人生で、それなりにいろいろな野菜を包丁でみじん切りにしてきた。フードプロセッサーを使った時期もあるが、洗うことや場所をとることがめんどうで、やがて処分。包丁に戻った。
ホームセンターでそんな私の視界に入ってきたのが、「みじん切り器」である。「ecoな手動」と書いてあるとおり、電化製品じゃないところにそそられた。
「包丁でも間に合うけど、ちょっと買ってみちゃおうかな」と自分で自分の背中を押す時に、エコはけっこう有効だ。2つのメーカーの製品が並んでいたので、安いほうを買う。税込み950円。
帰ってさっそく晩ごはんの麻婆豆腐用に、長ネギをみじん切りにしてみる。1.5センチぐらいに、ぶつぶつ切ったネギを容器に入れ、ひも付きのハンドルを引っ張ると、ひもがゼンマイで戻る。何度かくりかえすと、あっという間にみじん切りのできあがり。
大きさが不ぞろいでラフな感じだが、十分ではないでしょうか。キーマカレーのタマネギとか、餃子のキャベツとか、いろいろ試したくなってきた。
ざぶざぶ洗って、さてネットの評価でも読むかと、通販サイトのレビュー欄を開く。うめき声が出た。星4つの高評価ではあるものの「ふたの丸洗い禁止」に対する不安の声がちらほら。
なんだと!
外箱の細かい「取扱い上の注意」を読むと、たしかに「ふたの丸洗いは避けてください」の文字が! いや、フタの裏にネギやニンニクのかけらがついたら、普通ジャーッ! と水で洗い流すだろう?
「ふたに水が入った場合は、側面の水抜き穴から水を振り出してください」とあったので、振ると水が出てきた。これ、水入らないように洗うのたいへんだよ!
念のため、ホームセンターで見送った競合品のページを見ると「ふたも洗える」と、いばるように書いてあり、しっかり他社を意識してる!
まあ、万が一くるかもしれない過剰なクレームを想定した、やや過敏な予防線といったところか。気にせず、じゃぶじゃぶきれいに洗って使おうと思う。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、『忍風! 肉とめし2』(小学館)が発売中!
(週刊FLASH 2019年3月26日号)