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ガンにアルツハイマー…あなたも「カビ毒」に汚染されている
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.16 16:00 最終更新日:2019.07.16 16:00
7月は蒸し暑さも最高潮。人間には耐え難くても、カビにとっては最高の季節だ。湿度70%超、気温10°C~30°Cで、栄養源と水分があればカビはどんどん成長し、1週間で無数の胞子を作り、周囲にまき散らして増殖する。
カビの胞子を吸い込むと、アレルギー性の肺炎を引き起こすことは知られていたが、近年の研究で、アルツハイマー型認知症の発病にも影響することがわかってきた。
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「アルツハイマー型認知症の原因のひとつとして、ここ1、2年でカビ毒が注目されるようになってきました。カビ毒は、カビが作り出し、人や動物に有害な作用を及ぼす化学物質の総称です」
そう語るのは「45歳からの認知症予防」を掲げる、東京・四谷にあるブレインケアクリニックの今野裕之名誉院長(44)だ。アルツハイマー型認知症の原因は、「脳に『アミロイドβ』と呼ばれるたんぱく質が蓄積されること」だとされてきた。
「ところがアミロイドβは、神経細胞を壊す悪者ではなく、じつは炎症や毒物から、脳を守る働きもあることがわかってきたのです。
たとえば、黒カビの毒素である『オクラトキシンA』は活性酵素を増やして神経を傷つけますが、この作用が炎症の発生を通じてアミロイドβの蓄積を促し、アルツハイマー病を発症するリスクを高める可能性があります」(今野氏、以下同)
オクラトキシンAを持つ黒麹カビは、家の水回りだけでなく、食物にも発生する。通常の調理温度(100°C~210°C)では完全に分解できないため、食物の目に見えない部分に生えたカビを知らずに食べているかもしれないのだ。
「若いうちは、免疫力が強いので問題ないのですが、40代を過ぎるとカビ毒の影響は大きくなります。
体がカビ毒にどれくらい汚染されると害が発生するか、具体的な数値はまだ研究中ですが、『カビ毒にどれだけ体が侵されているか』、また『そのカビ毒をどこから摂取したのか』を検査することは有益です」
ブレインケアクリニックでは、5万1840円(税込み)で、体がカビ毒にどのくらい汚染されているかを知ることができる。検査方法は朝いちばんの尿の検体をアメリカの検査機関に送るだけ。結果が出るまで数週間かかる。
そこで今回は、実際の検査結果を見せてもらった(冒頭の図)。検査を受けたのは、「家も清潔、食生活にも気をつけている」という40代の男性。カビとは縁遠い暮らしのはずだが、体内はオクラトキシンAというカビ毒に汚染されていた。
「原因は、古い豆のコーヒーを飲んでいたことが理由だと思われます。カビ毒が体内に取り込まれてしまったら、適切な方法で緩和するか、排出することが必要です。
オクラトキシンAは活性酸素の発生を増やすため、抗酸化作用を持つビタミンや『N-アセチルシステイン』などの栄養素を摂り、毒性を緩和する必要があります。また、汗をかくことでも排出を促進できます」
食べ物に発生するカビ毒は、一度発生するとどんなに熱を加えてもなくならないので、すぐに捨てるべし。
また、カビ毒は、土や植物、埃、空調設備などにもごく普通に存在する。エアコンを使用する季節になったら、業者に掃除をしてもらうなどの対策も必要だ。
「カビ毒に由来するアルツハイマー型認知症は、高齢になって発見される20年~30年前から発症が始まっています。
40代から早めにカビの発生源に対処することで、発症のリスクは下げることができます。また、カビ毒を除去することで病気の進行を止めるだけでなく、改善するケースも出てきています」
5万円は安くない。が、自分のカビ毒汚染を数字で見ることができて、対策をすることができるならアリだ。次のページでは、人体に影響のあるカビ毒をまとめて紹介する。