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吉田戦車、愛するアニメ『宝島』を一緒に見たいが、家族は拒否

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.20 11:00 最終更新日:2019.07.20 11:00

吉田戦車、愛するアニメ『宝島』を一緒に見たいが、家族は拒否

 

 連載なんと100回目。ありがたいことでございます。

 

 アニメの『宝島 COMPLETE DVD BOOK』(ぴあ)vol.1、vol.2を買った。これを書いている段階では発売前の、最終巻vol.3ももちろん買うつもりだ。9話入りで一巻1501円。タダみたいな値段である。 

 

 放送開始は1978年、10月。私は中学3年の受験生だったが、毎週日曜18時半、茶の間で、親の目などまったく気にせず見ていた。人生で一番アニメが好きだった時期だが、録画機などまだ家にはなかった。つまり放送時間になるとテレビの前に必ずいて、全身全霊で視聴する必要があった。

 

 

『宝島』はカッコよかった。本当にカッコよかった。原作本を持っていて、愛読書だったが、「カッコよさ」というよりは、「勇敢なカタギの人たちVS.凶暴な海賊たち」の、ドキドキハラハラな冒険ものとして読んでいた。

 

 海賊ジョン・シルバーはおもしろいキャラだったが、カッコいいという感じではなかった。出㟢統監督は、そのジョン・シルバーを磨き上げた。こう生きたいと思ってしまうような、魅力的なキャラクターに仕立てた。

 

 最終回を見終えた私は、しばらくボーッとしていたのではなかったか。カッコよすぎて。そんな記憶がある。

 

 だが、その後『宝島』を見ることはなく、40年が過ぎた。見たいもの、買いたいものは、毎年次々と生まれてくるのだった。 今、ようやく所有し、再見するチャンスがきた。っていうか、安く買わせてもらってすみません!

 

 これは、家族で見たい。妻の伊藤は未見だというし、女子キャラが好きな小4も、これを見たら大人の男のカッコよさに目覚めるのではないか。目覚めなくてもいいのだが。

 

 うちは今のところ、平日はテレビ禁止。金土日と祝前日に解禁となる。その時に、いっしょに2話か3話くらいずつ見よう。大人はとうぜんラム酒……は飲み慣れてないので、ワインでも飲みながらだ。楽しいぞ~、うふふふ。

 

 と、提案したら、拒否された。レンタルの、昔の『プリキュア』なら見るけど、とりあえず「今の番組」の録画で、見たいものが山ほどある、というのだった。

 

 今の『プリキュア』、バラエティ番組、Eテレの小学生向け番組(の、勉強じゃないやつ)、ティーン向け海外ドラマなどなど、確かに忙しそうだ。しかも原作をちょっと知っていて、「海賊こわい」という気持ちもあるようなのだった。

 

 というわけで、一人で見てもいいのだが、家族で見るというプランが捨てきれず、いつか機会がくるかも……と思って、なかなか視聴に踏み切れない。このまま「買ったけど見てないコーナー」の常連になってしまったらどうしよう。

 


よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)、『出かけ親1』、『忍風! 肉とめし2』(ともに小学館)が発売中

 

(週刊FLASH 2019年7月23・30日号)

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