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【食堂のおばちゃんの人生相談】36歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.22 11:00 最終更新日:2019.07.22 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/しょうさん(36歳)会社員】

 

 

 10年ぶりの高校の同窓会で、保険会社に転職した友人に再会し、社交辞令で「おすすめの保険があったら教えて」と言ったら、翌日から営業攻勢が……。

 

 妻には「そんなことを言ったあなたが悪い」と指摘され、カチンときています。やはり私が悪いのですか?

 

【山口先生のお答え】

 

 悪いとは思いません。でも、不注意でしたねえ。保険会社に限らず、営業って厳しいんですよ。ワラにでもすがりたい気持ちなんです。だから、社交辞令で優しいこと言っちゃいけません。

 

 保険の外交って、昔はほとんど女性でした。生保レディと言われてましたね。保険会社が寡婦やバツイチ、シングルマザーを率先して採用したのが始まりです。何故って、少ない給料で必死に働くからです。保険会社の立派な本社ビルは彼女たちの涙の結晶だと、陰で言われてました。

 

 まあ、大半の生保レディは親類縁者、友人知己に頼み込んで保険に入ってもらい、その後が続かなくて辞めていくのですが、稀に年収が億を超すような凄腕のセールスウーマンも誕生しました。努力はもちろんですが、運と才能に恵まれた人って、どの世界にもいるんですよ。

 

 そう言えば、昔、失業保険の手続きにハローワークに行ったら、玄関前に保険会社の女性が大勢立っていて、求人募集のビラを渡してました。私も熱心に勧誘されましたっけ。才能ある新人を、いつも探しているんですね。

 

 保険の外交員には “十三月” という規約があって、契約から十三ヶ月以内に解約されると、契約を取った外交員のペナルティになるそうです。契約から一年一ヶ月過ぎると、みんなホッとするんですって。

 

 ま、こんな無駄話を読んだ後は、機嫌を直して奥さんと仲直りしてくださいね。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中 

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