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『江戸前の旬』原作者が語る「『時価』の寿司屋の歩き方」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.04 16:00 最終更新日:2020.01.20 11:34

『江戸前の旬』原作者が語る「『時価』の寿司屋の歩き方」

 

 マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。

 

 

 

「『誰と寿司屋に行くか』ということも、ポイントになることがあります。カウンターに美女が来ると、頼みもしないのに、マグロの中トロをサービスで出す親方もいる(笑)。

 

 一方で、美女と一緒でも男性のほうが嫌われたら、意地悪をされることもあります。『時価』はいまだに、“親方の気分” ということが多いんです。

 

 ただ本来の『時価』は、タネの『原価』。だから、原価をそれなりに知っていると、会計の高い安いがわかるという楽しみもあります。

 

 手前味噌ですが、私の漫画『江戸前の旬』がいちばん画期的なところは、“キロいくら” という卸値を描いているところ。それまでの漫画には、絶対になかったことです。

 

 私が個人的にお寿司屋さんに、『高いのだと1匹いくら』という相場を聞いて、あとはネットで調べる。ネットは原価に利益を乗せているから、感覚的に市場よりも2割ぐらい高いんですよ。そこを加味して、妥当線を割り出しています」

 

 いまだに「店主の好き嫌い」で値段が決まるのが寿司店の世界。初心者が気になるのは「時価」への対処方法だ。

 

「『時価』で営業されているところは、『~万円から』というスタイルで、銀座だとだいたい『3万円から』ですね。そういうお店は、予約するときに予算の相談をしたほうがいい。

 

 そのとき、お酒は別途で考えましょう。どれだけ飲まれるかは個人差や場の空気によるところが大きいので、寿司屋もお酒代込みで考えるのは難しいですよね。

 

 予約時は、まず予算を伝えて、嫌いなものを伝えて、というふうにしてみてください。ちなみに、料亭はじめ、京都出身の料理屋さんでは、予約時に必ず嫌いなものを聞かれます。

 

 また、一流店に毎月行くと、『先月はこういうメニューでしたけど』と教えてくれて、店自体のコースメニューが変わっていなくても、違うメニューを出してくれます。通常は2~3カ月変わらないのですが、特別に、です」


つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう

 

(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社

 

※『江戸前の旬』101巻が日本文芸社より2020年1月9日に発売
※『江戸前の旬』のドラマ化作品第2弾『江戸前の旬season2』最終回2本立てスペシャルが、2020年1月4日24時からBSテレ東、25時31分からテレビ大阪にて放送。配信は「ひかりTV」「ネットもテレ東」で

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