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先人たちの「セカンドキャリア成功談」50歳で植木屋に

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.29 16:00 最終更新日:2020.03.29 16:00

先人たちの「セカンドキャリア成功談」50歳で植木屋に

 

「人生100年時代は楽しい!」……ばかりではない。定年後も、“自分たちの生活費を、自分たちで稼がなければならない” 世の中になっているのだ。せっかくだから、再雇用などといわず、「第2の人生」に踏み出したい……。いち早く、そんな道に踏み出した先輩に、成功のコツを聞いた!

 

「不動産会社に勤務していた当時は、激務とストレスの毎日でした。新築マンションの顧客獲得のため、昼の営業はもちろん、毎晩のように飲み歩く日々でしたから……。いまは毎日、朝9時から日没まで働くという、規則正しく充実した生活を送っています」

 

 

 植木を整えながら、そう笑顔で語るのは、第二の人生として植木カットデザイナーの道を選んだ、新見鑑士さん(53)。30年間勤めた不動産会社を、50歳で早期退職。まったくの異業種に転身したのだ。

 

 サラリーマン時代は、数百人の営業マンが、社内にひしめいているような職場だったという。

 

「インセンティブの報酬もあり、年収は1000万円以上でした。しかし、同僚たちと売り上げ件数を競い合うような毎日に疲れてしまって。

 

 そんなとき、家の隣にあった植木屋さんの姿を見かけて『こんな仕事もいいかもなあ』と、漠然と思うようになったんです」(新見さん)

 

 妻と3人の子供を抱えての新天地へのチャレンジに、不安はなかったのだろうか。

 

「『この仕事を定年まであと10年続けるのと、10年で新しいことに挑戦する喜びと、どちらがいいのか』を比べて、選択しました。植木カットデザイナーなら、定年もありません。多少の貯えもあり、家族も応援してくれました」(同前)

 

 新見さんは「クイック・ガーデニング」と業務委託契約を結び、植木カットデザイナーを育成する「植木屋道場」で研修を受けた。これは30万円の費用で、植木職人として必要な技術や資格を3カ月間で得られるというもの。従来の植木職人のように、誰かに弟子入りしなくても、職人になれるシステムだ。

 

 新見さんは、ここと、さらに自費で「玉掛け技能」「高所作業車運転技能」「チェーンソー特別教育」など、さまざまな技能講習を受けた。

 

「30代から70代まで、140名以上が活躍しています。とくに近年は、『セカンドキャリアのために手に職をつけたい』という、50代以上の利用希望者が急増しています」(クイック・ガーデニング担当者)

 

 研修終了後は、植木職人に必要な道具を自己負担で購入し、同社の集客サポートを受け、業務を開始する。そのため、仕事は多くあり、新見さんも研修終了後から現在まで、年間500件の庭園作業を請け負った。

 

「私の場合、研修にかかった30万円のほか、トラックや道具などの購入で40万円を負担しました。おかげさまで、年収は1000万円以上です」(新見さん)

 

 クイック・ガーデニングによれば、「研修を受けた人のほとんどが植木職人になっている」という。

 

「最近は忙しいので、妻にも研修を受けてもらい、庭の手入れを生涯の仕事として一緒にできたら最高ですね(笑)」(新見さん)

 


取材協力/クイック・ガーデニング

 

(週刊FLASH 2020年3月24日号)

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