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すぐに再検査になる「健康診断」は信じていいのか医師に聞いた
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.07 20:00 最終更新日:2020.04.07 20:00
「異常を認めますので、再検査を受けてください」
容赦なく “異常” の烙印が押された、健康診断の結果通知。しかし、その数値を本当に信じてもいいのだろうか?
今回、2名の医師に、「健康診断の結果」について解説してもらった。新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦氏は、こう語る。
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「健康診断や人間ドックで検査を受けると、だいたい何か異常が見つかります。『検査でどこも悪くなかったという人は、7%しかいなかった』というデータもあります」
異常値が出れば、病院へ行くことをすすめられるが……。
「病院へ行くと、医者は、数値を薬で下げようとします。あるいは、製薬会社が薬を売るために宣伝して、医師がそれに踊らされている面もあるでしょう。
薬は数値を下げますが、必ず副作用があります。薬を飲んだことで、重大な病気になったりする人が相当数いるのです。
検査で異常値が出ても、生涯問題のない場合も多いのに、過剰な投薬や手術によって、後戻りできない深刻な病気になっていくこともあります。ガンのX線検診では、レントゲンを撮ることによって被曝し、それによる別のガンにかかる場合もある」(岡田氏)
では、健康診断は受けるべきではないのか。
「健康状態を知るために検査を受けることは必要ですが、検査にはメリットばかりではなく、デメリットもあることを知っておくべきです」(同前)
一方、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎氏はこう語る。
「“健康である数値” は、年齢や性別、体質によって、まったく違います。ですが、健康診断では、どこかで『正常/異常』の線引きをしなければなりません。
数値が高かったとしても、それが重大な病気に繋がるかどうかは、その時点ではわからないのです」
ほかにも、問題がある。
「臨床医です。本来は、将来起こりうる心筋梗塞や脳卒中などを防ぐことが目的なのに、数値が悪いからといって、安易に薬を処方し、『目先の数値を下げること』がゴールになっている医師が多いんです。患者の側も、数値が下がると安心しますから。
だからといって、私は『健康診断を信じるな』とは言えません。赤信号(基準値)を守っていても、事故に遭う(病気になる)人もいれば、守らなくても事故に遭わない人もいます。ただ、『赤信号を守るのは無意味だ』とはなりません。信号は、守るに越したことはないのです」(大竹氏)
おかだまさひこ
1946年生まれ 京都府出身 新潟大学医学部卒 予防医療学を専門とし、2002年、優れた臨床検査医学者に贈られる「小酒井望賞」を受賞
おおたけしんいちろう
1968年生まれ 兵庫県出身 神戸大学医学部卒 消化器専門医として、通算1万例以上の内視鏡検査をおこなう。テレビ出演も多い
(週刊FLASH 2020年2月4日号)