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警備員に軽貨物輸送…こんなはずじゃなかったセカンドキャリア

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.05 16:00 最終更新日:2020.04.05 16:00

警備員に軽貨物輸送…こんなはずじゃなかったセカンドキャリア

 

「人生100年時代は楽しい!」……ばかりではない。定年後も、“自分たちの生活費を、自分たちで稼がなければならない” 世の中になっているのだ。せっかくだから、再雇用などといわず、「第2の人生」に踏み出したい……。

 

 誰でも簡単に始められそうなセカンドキャリアの選択肢として思いつくのは、警備員。その実態は、どうなのか。働く人々の生の声が集まる、組合の担当者に話を聞いた。

 

 

「ドライバーから警備員になった50代の男性からは、『求人の内容と仕事の内容、給料が違っていた』と相談が寄せられました。鉄道会社で乗客の安全を守るということでしたが、実際は施設の警備。しかも、片道2時間かけての通勤が必要でした。

 

 賃金も『月額26万円』と書かれていましたが、これは月に13回の泊まり勤務も含めての金額で、実際は22万円でした。この方は生活ができず、転職しました」(おもに警備員の労働相談に対応する「プレカリアートユニオン」担当者)

 

 警備員に並んで思いつきやすいのが、軽貨物運送だが……。

 

「軽貨物運送で多い相談は、車のリースに関してです。ドライバーは平均、月額3万円で会社から専用車両をリースしますが、ほとんどの車が古く、ワイパー、エアコンなどが壊れていることが多い。その修理は、ドライバーの自費です。夏の長距離便でエアコンが壊れていて、熱中症になりかけたドライバーもいました。

 

 高速代は、ケースバイケースで支払われますが、ガソリン代は自前です。また、事故が発生すると大変です。任意の車両保険に入っていることはまれなので、修理費は給料から天引きされます。

 

 労災保険の特別加入制度があり、月々1200円ほどからの掛金で、病気や怪我による休業補償が受けられますが、給料未払いの報告も多く、とくに仕事を辞めるときは、支払われないケースが多いようです」(関東軽貨物ワーカーズユニオン)

 

 生きるための仕事で、体を壊したり出費をさせられたりしては、元も子もない。では我々は、人生100年時代のセカンドキャリアに、どう備えればいいのか。

 

「年金支給開始年齢は70歳に近づき、支給額自体も確実に減っていくでしょう。また、退職金の平均額は1997年の約3200万円から、2017年には2000万円を切っています。老後のため、定年後も働かなければならないのは必然です」

 

 そう語るのは、雇用問題に詳しい人事ジャーナリストの溝上憲文氏。悠々自適の老後生活は、もはや幻想なのだ。それでは、定年後も働き続けるために必要なスキルとは?

 

「資格取得を目指すとしても、技術系の資格ならともかく、ホワイトカラーが取れるもので有利な資格はあまりありません。

 

 また、ちょっとしたブームの起業もハイリスクです。50歳前後から定年までの10年間で、自分が興味のある分野、得意な分野を見つけ、専門性を磨いておくべきです。

 

 最近は副業を解禁する企業も多いので、たとえば50歳なら、本業と “二足のわらじ” で副業を続ければ、10年間で相当のスキルを身につけることも可能です」(同前)

 

 定年までに、飛び移れる場所を見つけよう!

 


(週刊FLASH 2020年3月24日号)

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