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橋谷能理子、『サンデーモーニング』が教えてくれたこと「自らの目で見れば、心を揺さぶられる」【独占インタビュー】

芸能・女子アナ 投稿日:2023.04.08 06:00FLASH編集部

橋谷能理子、『サンデーモーニング』が教えてくれたこと「自らの目で見れば、心を揺さぶられる」【独占インタビュー】

 

 3月26日、『サンデーモーニング』(TBS系)を降板した橋谷能理子キャスター。司会の関口宏は、「30年近くね、がんばってくれました」とねぎらいの言葉をかけた。「たくさんの取材をして、たくさんの方にお会いしたことは私の大きな財産になりました」と挨拶した橋谷キャスターに、番組と歩んだ30年を振り返ってもらった。

 

――約30年、お疲れさまでした。1989年から『サンデーモーニング』に出演されたそうですが、担当してよかったことは?

 

「普通では行けないところに行けたり、会えない人に会えたり、貴重な体験が財産として残っています。たとえば、ナチスドイツの青年部にいた80代のお爺さんが、今も人目を忍んでひっそりと暮らしている様子を取材するなど、一般の観光旅行では見ることができない深い世界に触れることができました」

 

 

――印象に残っている3大ニュースをあげるとしたら、どんなことがありますか?

 

「1つめは、1990年の東西ドイツの統一です。東西ドイツの分断は知識として知っていましたが、実際に行ってみると、境界を挟んだ数メートルでまったく世界が違ってしまうことに驚きました。

 

 西ドイツ側は銀座のようにきらきらした町で、人々の服装もファッショナブルで裕福な感じですが、東に入った途端、街が真っ暗で、服装も生地の質が悪く見えました。車もボロボロで、色が一気に地味になるのです。

 

 これだけ差のある2つの国が、一緒になって大丈夫なのかと思いました。統一の瞬間は、みんなブランデンブルク門で乾杯し、これからバラ色の未来が始まるかのように盛り上がっていましたが、やはり、その後に差別や格差の問題が出てきました。

 

 2つめは、東日本大震災です。2011年3月11日、金曜日の午後、スタッフルームでみんなとホワイトデーのケーキを食べているとき、大きな揺れを感じました。

 

 テレビを見たら、現地からの信じられない光景が次々と入ってきました。公共交通がストップし、タクシーも捕まらず、帰宅できたのは翌朝でした。

 

 あまりにも被害が大きく、全体像がつかめないまま、日曜日のオンエアを迎えました。火災や津波など、とにかく入ってくる映像を伝え続けることしかできませんでした。

 

 その後、震災から1カ月後に現地に入りました。たくさんの子供たちが亡くなった大川小学校(宮城県石巻市田老地区)や、たろう観光ホテル(岩手県宮古市田)での取材は、衝撃でした。

 

 被災地のみなさんは、とても温かく、中継を見て駆けつけたり、取材陣にお土産を届けてくれたりした方もいらっしゃいました。それから被災地には何度も取材に訪れました。土木工事の進みは早く、一見、街は戻ったように見えますが、今も人が戻っていない地域があるんです。

 

 3つめは、2016年のアメリカ大統領選です。ギリギリまでヒラリー氏が勝つと言われていたのに、トランプ氏が逆転勝利したのは驚きでした。トランプ氏の人気は予想以上にすごかったのですが、メディアやネット情報ではわからないことがたくさんあると再認識しましたね。

 

 私は東京女子大学講師の仕事もしているのですが、やはり今の学生は、何でもネットで調べます。最近は人工知能の『チャットGPT』もできましたし、便利ですよね。

 

 でも、自分の目で見てきたことには勝てません。見たものには心を揺さぶられますから、現地に行くことは大事です。授業でも、学生には常に『ネットで満足しないように』とアドバイスしています」

 

――テレビ業界はこの30年で変わりましたか?

 

「テレビの力が弱ってきたと感じています。教え子の多くはテレビを見ていません。どこも同じことをやっているので、時間の無駄という答えが返ってきます。

 

 若者向けに制作されたバラエティー番組に興味はなく、良質なドキュメンタリー番組を見たいとも言っています。若者の意見を反映させた番組づくりが必要ではないでしょうか」

 

――これから時間に余裕ができる週末はどのように過ごしますか?

 

「産休育休の3年を除いて、まったく週末休みのない生活をしてきたので、友人の結婚式にも出られず、友達が減りました(笑)。これからはスポーツジムに通ったり、中断している楽器の練習を再開したいです。どんな日常が始まるのか、週末遊べると思うと楽しみです」

 

――なにか新しい仕事を始める予定はありますか?

 

「ありますが、まだ内緒です(笑)。タイミングがきたら、またお話ししますね!」

( SmartFLASH )

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