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本場の讃岐うどん、あなたのおすすめは?高松の人に聞きまくったら/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナ 投稿日:2023.04.16 12:45FLASH編集部

本場の讃岐うどん、あなたのおすすめは?高松の人に聞きまくったら/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

 

 2023年は弘法大師(空海)が生まれて1250年の記念の年。お大師様の出身は、讃岐国の屏風ガ浦(香川県善通寺市)です。

 

 空海と言えば、唐(中国)で学び、真言密教を伝えたと歴史で習いましたが、ほかにも日本にもたらしたものがあります。それは、いまも日本人が愛してやまない、うどんです!

 

 

 うどんの伝来については諸説ありますが、空海ゆかりの善通寺に出向いて伺ったところ、「うどん自体ではなく、お大師様がその製法を伝えたという伝聞があると聞いております」との答え。

 

 空海の滞在した長安(現在の西安)周辺は小麦の耕作地帯で、讃岐平野と気候が似ていたため、麦類の栽培を奨励されたという説だけでなく、もともと小麦が栽培されていたという説もあるそうです。

 

 そして、元禄時代になると、金刀比羅宮(香川県琴平町)の絵屏風「金毘羅祭礼図」に、数軒のうどん店が描かれているそうです。この讃岐の地には、江戸時代、他の地域に先駆けて、すでにうどん文化が花開いていたわけです。

 

 そんな由緒正しき歴史を誇る香川県が、「うどん県」を自認するのは当然のことかもしれません。

 

 私もかつて「山越うどん」(綾歌郡綾川町)、「なかむら」(丸亀市)、「がもううどん」(坂出市)など、公共交通機関では行きにくい超有名店を友人たちと車で回ったことがあります。

 

 そのとき、香川県の多くの人たちが、一日に何食もうどんを食べることを知って、感心した思い出があります。

 

 最近は、通称「うどんタクシー」という、讃岐うどんめぐりをしてくれる便利な貸し切りタクシー(コトバス予約センター)もあります。讃岐うどんは、香川県を代表する食文化として、ますます発展しているようです。

 

 そんな香川に先日、久しぶりに行きました。高松市内に歩いて行ける美味しい店があるかなと思い、JR高松駅にある観光案内所を訪ねました。

 

「ネットのランキングを見ても、それぞれいろいろな店が書いてあるので、最近の流行とか、おすすめのお店を教えていただけませんか?」と尋ねると、

 

「香川県にある讃岐うどん店の数はコンビニよりも多いと言われています。地元のみなさんも好みは個人個人で異なり、どこが一番というのはなかなか難しいです。

 

 テレビ番組の『孤独のグルメ』に登場した『松下製麺所』(中野町)という、老夫婦がやっている昔ながらの店は安くて素朴だと人気です。

 

 また、『手打十段うどんバカ一代』(多賀町)の『釜バターうどん』は若い人たちに人気で、対極にある感じでしょうか。釜揚げうどんにバターと卵をのせ、黒胡椒をかけた和風カルボナーラです」

 

 と教えてくれました。参考までに、案内していただいたご本人のひいきの店を伺うと、「セルフうどんの店 竹清」(亀岡町)でした。「天ぷらを注文すると、その場で揚げてくれるのが美味しくて」と、満面の笑顔がこぼれました。

 

 高松はそれほど大きな都市ではありませんが、好きなうどんはそんなに人によって違うものでしょうか?

 

 つい興味がわいて、ホテルのフロントの男性にもおすすめを尋ねました。すると、彼は毎日、高松駅前の「讃岐うどん めりけんや」に行くのだそうです。駅前で便利だし、さっと出てきて美味しいと絶賛。

 

 フロントにいた隣の女性にも聞いてみると、「『綿谷』なら毎日行けます!」ときっぱり!

 

 地元の皆さんは、やはり、それぞれご自分のご贔屓がありそうです。

 

 では、おすすめのうどん屋はどんな店でしょう。まずは駅前の「めりけんや」に行ってみると、学生さん、ビジネスマン、観光客などあらゆる方々が列を作っていました。

 

 店に入ってから思い出しましたが、讃岐うどんの店は、レストランのようにメニューを見て注文する店、製麺所が本業でかたわらでうどんを提供する店、「セルフ」タイプの店の3形態があります。

 

 めりけんやはセルフ(正確には温めてだしをかけるところまでお店の人がおこなう「半分セルフ」の「半セル」)。

 

 学食のようで、店内の注文カウンターを進みながら,希望のうどんの玉数が入った丼を受け取り、お好みの天ぷらやおにぎりなどのトッピングを選び、レジで精算。

 

 薬味(ネギ、ショウガ、天かす、ごま等)をかけて、空いている席で食し、食べ終わったら、食器を自分で返却口に返すシステムです。

 

「このうどん、コシも味もいりこ出汁のお汁も違うわー」とひとりごとを言いたくなるさすがの美味しさ。甘めに柔らかく煮た巨大なお揚げも、讃岐の味だなぁとうれしくなりました。

 

 さらには、どんなにたくさん食べても、千円札でお釣りが来る抜群のコストパフォーマンスも気に入りました。

 

 続いて、「麺処 綿谷」に足をのばしました。瓦町に近い賑やかなアーケード街にある人気店は、外まで人があふれていました。席数は100席はありそう。やはり「半セル」で、システマティックに人の列は流れ、自分の番も程なくやってきました。

 

 カレーうどんが無性に食べたくなって、注文しました。周りの人たちが牛肉うどんを頼んでいる様子を見て、牛肉カレーうどんにしましたが、ボリューム満点。

 

 ホテルの女性が「毎日行ける!」と言っていたのは、メニューの豊富さなのかしらと想像しましたが、やはりふだん家で食べるうどんとは違う美味しさでした。

 

 翌日は栗林公園に行きました。公園の方にもおすすめを尋ねると、また違う店の名前が出てきました。公園から歩いて5分の「讃岐うどん 上原屋本店」。「美味しいですよー!」と太鼓判を押され、さっそく行ってみると、こちらは完全セルフ。

 

 うどんを自分でゆがいて、お汁も自分で丼に入れるのです。地元の方にしてみれば、それは当たり前かもしれませんが、観光客にとってみると、その体験自体が楽しいアトラクション。味もさることながら、気分が上がりました。

 

 うどん屋めぐりが楽しくなってしまい、東京から香川県に嫁に行った知り合いにも連絡して、おすすめを聞きました。驚いたことに、彼女からも、またまた違う店の名前が出てきました。おすすめは「手打ち一本 まさ屋」(丸の内7丁目)。

 

 2020年オープンということで、まだ新しい店だと思いますが、こしのある細麺を出す若いご主人の心意気が感じられる半セルの店でした。

 

 開店時間が11時半と、他の店からすると遅いように思いますが、開店して15分で、すでに用意した麺は出てしまったよう。

 

「すいません。いま麺を茹でているので、5分待ってもらっていいですか?」と、主人が次々に入店するお客さんに声をかけていました。

 

 私は四万十川のりのうどんに、ちくわのいそべ揚げをトッピングしましたが、「それなら、ラー油を使ってみてください」とのこと。

 

 そうしたフランクな会話ができるのも楽しく、さらにお汁も飲み干してしまうくらい美味しく、なんだか幸せになる店でした。

 

 うどん県の方からしたら、今回のうどんめぐり、まだまだ甘いと思われるかもしれませんが、たしかに、うどん県の奥はまだまだ深そうです。これから香川に通って、いつか自分なりのおススメうどんを友人に教えたいと思います。

横井弘海

東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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