埼玉県内の陸上競技場には冷たい小雨が降り続いたが、役所広司(61)、竹内涼真(24)ら撮影に臨む面々の表情は、一様に明るい。
日曜劇場『陸王』(TBS系)の初回平均視聴率は14.7%と好スタートを切った。先ごろ累計34万部を突破した池井戸潤氏の原作の勢いそのままに、老舗足袋業者の社運を賭して挑戦するランニングシューズ「陸王」への思いが、これからの物語をさらに熱くすること請け合いだ。
その熱き日曜日の夜9時に、翌日から始まる仕事への活力を生んでくれたあの男たちが、帰ってくる。
「来年10月期の放送で『下町ロケット』の続編を制作することが、すでに決まっている。現時点で原作は完結しているので、制作に合わせて急ぎ新たな物語が執筆される」(芸能プロ関係者)
下町の町工場「佃製作所」の社長・佃航平が社員たちとともに「ロケットを飛ばす」夢のために熱く戦う物語は、2015年の年間視聴率No.1ドラマに輝いた。平均視聴率は18.6%、最終回に至っては22.3%を叩き出した。
その続編が制作されることが極秘に決定。もちろん前作と同じく阿部寛(53)の主演だ。
「第一弾制作時には、第6話以降の原作となる『下町ロケット2』を、池井戸氏が20日間で書き下ろし、放送と同時に新聞連載した。今回ドラマ化される新たな物語の内容も、これから池井戸氏と構想を練り、急ピッチで執筆されるという」(制作会社関係者)
TBSは、続編の制作にあたって早くから策を講じていた。
「プロデューサーの伊與田英徳氏は、2010年の日曜劇場『新参者』を担当したとき、主演した阿部に惚れ込んだ。『下町ロケット』への阿部の出演は伊與田氏の熱烈なラブコールに応えたもの。『続・下町ロケット』制作に向けた阿部との関係強化のため、主演映画まで用意した」(前出・芸能プロ関係者)
それが2018年1月公開の映画『祈りの幕が下りる時』。『新参者』の劇場版の第二弾で、監督を務めるのは福澤克雄氏だ。この伊與田氏と福澤氏こそ、TBSが誇るドラマ制作の名コンビである。
「2人は名実ともにTBSのエース。池井戸氏原作のドラマをすべて担当してきた」(前出・制作会社関係者)
池井戸氏と伊與田・福澤チームのタッグは、『下町ロケット』の続編で5作めになる。『半沢直樹』(2013年)の大ヒットに始まり、『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014年)、『下町ロケット』(2015年)、そして2017年の『陸王』である。
満を持して決定した続編の制作についてTBSに問い合わせたが、同局広報部は「現在決まっていることはございません」と回答。一方、原作を出版する小学館広報室は、質問には答えられないとしながらも否定はしなかった。
現代の日本人が忘れていた熱き思いを、あるいは新しいシューズで、あるいは宇宙への思いで、我々に思い出させてくれるはずだ。
(週刊FLASH 2017年11月7日号)