「萩生田光一氏や河野太郎氏が地元の会合で安い店を使うのは、庶民派をアピールしているといえます」
そう話すのは、政治ジャーナリストの角谷浩一氏だ。
発足から2週間、本誌が調べたのは菅義偉内閣の主要閣僚の「飲食店レベル」。2018年分の政治資金収支報告書の飲食・会合費支出のうち、複数回の支出や高額支出の内容に表われる各閣僚の特徴を見ると、早くも “閣内不一致” が起きている。
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新型コロナ禍のいま、「寿司に360万円」「高級クラブ通い」よりも、庶民派気取りのほうがマシに見えるのは、気のせいだろうか。以下では、主要閣僚の「行きつけの店」をご紹介する。
●武田良太(52)総務相→しまだ鮨(港区西新橋)/13回で91万5550円
1500万円以上の飲食支出のうち、360万円以上が寿司店だった武田氏は、さながら菅内閣の “寿司担当大臣”。同店は安倍晋三前首相が、ジャーナリストの田崎史郎氏と来たことも。
●平井卓也(62)デジタル担当相→レストラン アミーゴ(港区赤坂)/6回で22万3780円
平井氏本人が、グルメ口コミサイトに「アシードはパラグアイのソウルフード!」と書き込むほどハマっている、南米パラグアイ料理店だ。政治資金が日パ友好に役立つといいが……。
●岸信夫(61)防衛相→BLT STEAK ROPPONGI(港区六本木)/1回で16万4042円
肉好きとして有名な安倍前首相の実弟・岸氏の事務所収支報告書にも、鴨肉料理店や焼き肉店などが並ぶが、1回あたりでもっとも高いのが同店。兄弟で味の好みも一緒。
●茂木敏充(64)外務相→紀の川(港区赤坂)/5回で112万8800円
政界でも美食家として有名な茂木氏のお気に入りは、赤坂の高級懐石だ。「必ずお酌をしてくれる女性が一人つくし、カラオケもある」(自民党中堅議員)
●麻生太郎(80)副総理兼財務相→オフィス雀部(クラブ ボバリー・港区六本木)/12回で650万8000円
麻生氏が同店に通う姿を、本誌は2017年に撮っている。麻生氏が、年平均で約700万円前後もの政治資金を支出してきた会員制の高級クラブだが、2019年から休業状態らしい。
●野上浩太郎(53)農水相→グラナータ TBS店(港区赤坂)/1回で11万3130円
今回が初入閣となった野上氏。収支報告書の飲食代のうち10万円を超えたのは、こちらのイタリアンのみ。同店の客単価は、6000円〜8000円ほどだ。
●加藤勝信(64)内閣官房長官→赤坂 四川飯店(千代田区平河町)/4回で26万8420円
事務所の飲食代だけで720万円を超える加藤長官がご贔屓にするのは中国料理店。同店は政界関係者の会合がよく開かれる。店選びのセンスも永田町的だ。
●井上信治(50)万博担当相→天空飲茶酒家(中央区銀座)/3回で23万8000円
開成中・高、東大法卒の井上氏は初入閣。ほかに、銀座の高級ステーキ店でも支出しており、新大臣の “銀座好き” がよくわかる。
●小泉進次郎(39)環境相→燕三条イタリアンBit 銀座店(中央区銀座)/1回で13万円
政治資金での飲食代支出が、ほとんどない小泉氏。政党支部の収支報告書で唯一あったのは、新潟の食材が楽しめる銀座のイタリアンだ。
●小此木八郎(55)国家公安委員長→牛鍋元祖 太田なわのれん(神奈川県横浜市中区)/4回で22万8430円
菅首相が、かつて秘書として仕えた小此木彦三郎氏の三男・八郎氏は再入閣。地元・横浜市にある明治元年創業の “元祖牛鍋屋” を、こよなく愛するようだ。
●河野太郎(57)行革担当相→とんかつ新宿さぼてんデリカラスカ平塚店(神奈川県平塚市宝町)/6回で7万6993円
すっかり国民的な人気を集めている河野氏だが、とんかつ店への支出が多数。ほかには、平塚市内のファミレスでの支出があったが、1万円台が多かった。
●萩生田光一(57)文科相→1)おむすび権米衛(八王子市旭町)/2回で3万5890円
2)サイゼリヤ 京王八王子駅ビル店(八王子市明神町)/1回で1万2407円
3)デニーズ 八王子八日町店(八王子市八日町)/1回で3万2800円
菅内閣で屈指の庶民派は、萩生田氏だった。政党支部の収支報告書の飲食代支出のほとんどが1万円台で、ファミレスなど地元・八王子市内の飲食店ばかりが並ぶ。
●番外編:菅義偉(71)首相→餃子会館ふく龍(神奈川県横浜市中区)
収支報告書には記載がないが、菅首相が秘書時代から通う店がある。「いつもねぎソバ(600円)と、レバニラ炒め(500円)を頼まれます」(同店の女将)。
(週刊FLASH 2020年10月13日号)