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プーチン大統領「北方領土の実効支配」をどんどん推進中
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.12.11 12:00 最終更新日:2016.12.11 12:00
12月15日、ロシアのプーチン大統領が来日し、日ロ首脳会談が安倍首相の地元・山口県で行われる。
プーチン大統領は基本方針演説で、「ロシアは日本との関係において質的な発展を期待する。ロシアとの共同事業を含む経済関係の発展を目指す日本政府の意向を歓迎する」とし、日本との関係強化を訴えている。
ここで日本人ならば期待してしまうのが北方領土返還問題だ。「歯舞と色丹の2島返還案」や「さらに国後と択捉の一部を含めた3.5島返還案」「断固として4島返還案」などさまざまな案が浮上している。
平和条約締結や経済協力などについて建設的な意見が交わされる見通しなので、どうしても返還に期待してしまうが、どうやら実情は厳しいようだ。
実はロシアは、日ロ首脳会談に先駆けて、北方四島の実効支配を誇示しているからだ。
今年の7月には、ロシア国防省の関連機関が、択捉島、国後島で建設している392の軍事施設の建設が順調だと発表。
8月には、択捉島で愛国団体による「全ロシア青年教育フォーラム」が開幕した。このイベントの主催はロシア政府だ。
10月には、極東の振興策として、国民に土地を無償提供する新法を北方領土に適用し、希望者からの申請を受理し始めた。
11月22日には、択捉島と国後島で、地対艦ミサイル「バル」と「バスチオン」の配備が完了。
11月30日には、国後島と色丹島を結ぶヘリコプターの定期便を開設すると発表。空港がなく船でしか移動できない色丹島の利便性を高めた形だ。
ロシアからみれば、北方領土は戦略上重要な拠点だ。もし日本に返還し、そこに安保条約を結ぶアメリカ軍が基地を建設すれば、一気にロシアは防衛の危機にさらされる。
訪日に加え、平和条約という甘いお土産をぶら下げつつも、プーチン大統領は北方領土返還に関しては強硬な態度を取るとみられる。
安倍首相は、先日トランプ次期大統領に面会し、50万円もするゴルフのドライバーを贈ったことが話題となった。贈り物は自由だが、くれぐれも国益を損ねるような“お土産”をロシアに渡し、国民をがっかりさせることだけは避けてもらいたい。