社会・政治
トランプ次期大統領「外交はビジネス」で中国が困った!
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.12.15 06:00 最終更新日:2016.12.15 06:00
トランプ次期米大統領が、正式就任を前に、次々と型破りな政治スタイルを披露している。
12月5日に台湾の蔡英文総統と電話会談した。1979年に米中国交正常化以来、アメリカは台湾と断交していた。それ以来、中国の主張する「一国二制度」の方針を尊重し、台湾と直接コンタクトを取ることは避けてきた。
トランプ氏が台湾と会談したことに対し、中国は正式抗議を行い、けん制した。トランプ氏はこれに臆することなく、中国の為替政策や米製品への重課税、南シナ海の軍事施設建設を批判するツイートを連投。
結局、火種をくすぶらせたまま、中国側はトランプ氏の動向を静観している。
それを尻目にトランプ氏は、さらなる爆弾を投下してきた。政権運営における最重要ポストである国務長官に、石油大手エクソンモービル会長兼最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン氏を指名すると発表したのだ。
アメリカの国務長官は、外交だけでなく通商や国家行事などにも権限を持ち、政権の顔ともいえるポストだ。通常は行政や外交の実務経験を豊富に持つ人材が選ばれる。特にトランプ氏の場合、自身に政治経験がないため、共和党主流派の重鎮であるロムニー氏などが候補として挙がっていた。
ところが、選ばれたのは政治のプロではなくビジネスのプロであるティラーソン氏。ティラーソン氏に「正式な外交政策の経験」はないものの、世界最大のエネルギー会社のトップとして、世界の指導者との関係を築いてきたとトランプ氏は絶賛。
中国にとって困るのが、ティラーソン氏がロシアのプーチン大統領と長年親しい間柄であることだ。トランプ次期大統領との協調の道を探っていた中国だが、親ロシアでビジネスマンのティラーソン氏が国務長官になったことを踏まえて、改めて外交の方向性を検討しなければならなくなった。
場合によっては、中国とアメリカの関係が大きく悪化することもありうる。今回の人事は、世界にも大きな影響を与えかねない。