茂木敏充・自民党幹事長が「まるで党大会のようだ」と驚嘆したのも無理はない。
5月18日、都内ホテルで開かれた「清和政策研究会」の政治資金パーティ。清和会は安倍晋三元首相(67)が率いる、いわゆる「安倍派」で、現在、自民党の最大派閥だ。
この日は、その存在感を表すかのように、岸田文雄首相をはじめ、細田博之衆議院議長、そして今夏の参議院議員選挙に立候補を予定している元「おニャン子クラブ」の生稲晃子も姿を見せ、出席者は2800人に上った。
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「最大派閥でありながら、岸田政権発足時には入閣者も少ないなど、党内で非主流派の扱いをされていました。
しかし、岸田首相は徐々に失速。7月には参院選がおこなわれますが、野党が弱いとはいえ、いい流れではありません。
そこで、みんな『選挙に強い』がウリの安倍元首相にあやかろう、という思いが強いのではないでしょうか」(政治部記者)
派閥パーティでも安倍元首相は「日本と地域の平和と安定を守っていくという、国家意思を示していく必要がある」と、自身への支持が多い「保守層」に向けてのアピールを欠かさなかった。
安倍氏の勢いが垣間見えるのは、パーティだけではない。選挙戦に向けて“大きな武器”になる政治活動ポスターでも、同じことが起きている。
「首相退任後、安倍元首相を起用したポスターは減少しました。しかし、ここに来て再びポスターで見かけることが増えているんです。
片山さつき氏が安倍元首相との“2連ポスター”を掲げたのをはじめに、山谷えり子氏も同様に2連ポスターを作成しています。
2連ポスターは、そこに選ばれた人物の、党内の影響力を表わしているといえます。2021年9月に菅義偉前首相が退任表明をすると、それまで菅前首相との2連ポスターを作っていたのに、“相手”を変える政治家が急増しました」(前出・政治部記者)
安倍元首相はパーティ内で「あらゆる場所で岸田政権を支える。どうか岸田首相、安心していただきたい」と挨拶した。しかしこの大きな影響力、岸田首相にとっては、ちっとも安心できない事態だろう。
( SmartFLASH )