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岸田首相、閉会中審査で国葬説明はこれまでの繰り返しに終始「同じことを丁寧に繰り返してるだけ」とあふれる批判

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.08 18:49 最終更新日:2022.09.08 18:54

岸田首相、閉会中審査で国葬説明はこれまでの繰り返しに終始「同じことを丁寧に繰り返してるだけ」とあふれる批判

閉会中審査で答弁する岸田首相 写真・時事通信

 

 安倍晋三首相が銃撃を受けて死亡してから、ちょうど2カ月が経過した9月8日、安倍元首相の国葬について議論する閉会中審査が、衆参両院の議院運営委員会で開催された。

 

 岸田文雄首相が、国葬について国会で説明するのは初めて。まず衆議院で審査がおこなわれ、国葬決定の経緯や法的根拠、総額16億6000万円程度とする費用が妥当か、などが話し合われた。

 

 

 岸田首相は16億6000万円とする費用について、「仮に190の代表団、そのうち接遇が必要な首脳級50の代表団と仮定をし、数字を示した次第であります。これがさきほど(松野博一)官房長官からも(説明が)ありました、8億、6億といわれた数字であります。こうした数字は、過去のさまざまな行事との比較においても妥当な水準であると、政府としては考えている」と述べた。

 

 さらに、海外から参列する外国要人について、米国のハリス副大統領、インドのモディ首相、豪州のアルバニージー首相、シンガポールのリー・シェンロン首相、ベトナムのフック国家主席、欧州連合(EU)のミシェル欧州理事会議長議長、カナダのトルドー首相らの名前を列挙。外国要人の参列を、国葬を開催する理由として強調した。

 

 2番めに立憲民主党の泉健太代表が質問に立つと、岸田首相は目をしばたたかせながら、苦しそうな表情を見せた。

 

「泉代表は、1967年の吉田茂元首相の国葬の際にも、野党に事前に説明があった点、1975年の佐藤栄作元首相は、当時、戦後最長の在任期間であり、ノーベル平和賞も受賞していながら『内閣・自民党合同葬』になった点などを挙げながら問いただしました。それに対し岸田首相は『その都度、政府が総合的に判断し、どういった形式をとるかを判断する。これがあるべき姿だと政府としては考えている』と主張し、今回、閣議決定だけで国葬開催を決めたことの正当性を繰り返すだけ。なんとも議論がかみ合いませんでした」(政治部記者)

 

 さらに国葬の費用について、泉氏はこう質問した。

 

「来年のG7サミットでは、民間の警備会社には12.4億円かかるという概算要求が出ています。この民間警備会社の経費は、今回の発表の中に含まれていますか?」

 

 岸田首相も交えた相談の後、答弁に立った松野官房長官は『会場外の警備に関しましては、規定予算に計上されております。警備・警察上の予算に含まれています』と答弁。事実上、国葬費用が16億6000万円では収まらないことを認めたわけだ。

 

「さらに泉代表が『自民党が費用を負担する予定はないか』と質問しましたが、岸田首相は、あくまで『国葬』だからと、税金から支出する意向を示すだけ。一度、国葬を閣議決定した以上、撤回することなどできませんが、なんとか国葬開催をすすめる岸田首相と、反対する野党の分断が深まったとしか思えませんね」(前出・政治部記者)

 

 前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏は、自身のTwitterでこう持論を述べた。

 

《泉健太議員の質問に対する岸田首相の答弁を聞いたが、これまでの説明を超えるものではない。岸田首相は誠実に答えているが、これで、国葬反対論者が賛成論者に転向するとは思えない。国論の分裂は続く》

 

 注目を集めていただけに、閉会中審査にはSNSでもさまざまな声が上がったが、岸田首相の「丁寧な説明」を批判する声が多く上がった。

 

《国葬について丁寧な説明をと丁寧に述べているが、同じことを丁寧に繰り返しているだけ》

 

《何ひとつ丁寧な説明は無いまま、壊れたレコードプレイヤーのように同じことを繰り返す岸田で閉会中審査が終わった。これで国葬賛成が増える訳がない。ますます反対が増加するんじゃないか?》

 

《岸田さんの答弁はなかなか無理なことをゆっくり喋ってるだけで「質問の意図を汲んで答えている」わけではない。法的な根拠がないのは明らかなのに、「それを説明できるようにする」と何度も言っている》

 

 山口俊一議院運営委員長が「議題を逸脱するような質問がないように、気をつけてください」と何度も口を挟み、委員会は中断。なんとも後味の悪い閉会中審査となった。

( SmartFLASH )

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